矢野経済研究所は3月28日、M2M世界市場の調査を実施、その結果を発表した。
調査は、2013年10月から2014年2月の間に、国内外のIT事業者(SIer)、通信事業者(キャリア)、MVNO(仮想移動体通信事業者)やMVNE(MVNO事業者を支援する事業者)、デバイスメーカー、ユーザ企業等を対象に実施したもの。
調査によると、M2M世界市場規模は2010年以降に大きく伸長し、2013年度には前年度比18.8%増の1兆4,580億円(事業者売上高ベース)の見込み。なお、2013年度の国内M2M市場は前年度比15.4%増の1,350億円の見込みで、M2M世界市場における日本市場のシェアは9.3%となる。
また、M2Mで注目されるアプリケーション分野は多岐に及ぶが、特に医療・ヘルスケア、エネルギー管理、農業・畜産、交通インフラ関連での期待が大きいという。そして中・長期的には、M2Mは世界的に拡大が見込まれるスマートシティ/スマートコミュニティにおける中核機能・中核技術として期待されると予測。
さらに、M2M需要は先進国から新興国に徐々にシフトしていくとし、M2M世界市場は、M2Mプラットフォーム型サービスの拡大、機器・デバイスの低廉化、ワイヤレス環境及びグローバル化の進展などを背景に拡大を続けていくと予測。M2M世界市場の2012年度から2020年度までの年平均成長率(CAGR)は15.2%となり、2020年度の同市場規模は3兆8,100億円(事業者売上高ベース)に達すると予測している。
なお、調査におけるM2M(Machine to Machine:機器間通信)とは、人が間に入らずに機器・デバイス間で、無線回線やネットワーク網を利用し情報のやり取りをする仕組みを指し、本調査におけるM2M市場規模はM2Mを実現するための、デバイスやモジュール、回線やM2M プラットフォーム、システム構築やアプリケーション開発、データ解析・制御などのソリューション、運用・保守サービスなどを対象として算出している。