最近良く聞く「マーケティング・オートメーション」、あなたはどんなものだか分かりますか?なんとなく分かっているつもりの今どきマーケティング用語を、SMMLabがやさしく解説します!
用語説明:【マーケティング・オートメーション(Marketing Automation)】
マーケティング・オートメーションとは、マーケティングのプロセスおける実行作業を自動化することで効率化するソリューションツール。
機能はサービスによって異なるが基本的には、「コンテンツのスケジュール配信」、「顧客リストの高度なセグメント」、「アップセル&クロスセルのプロモーション機能」、「リードスコアリング」、「キャンペーンマネジメント」、「レポート・ダッシュボード機能」などを備え、購買行動をモデル(抽象)化し、その段階にあわせたマーケティング活動をマーケティング担当者に促す仕組みである。
営業活動支援のための情報システムであるセールス・フォース・オートメーション(SFA: Sales Force Automation)を補完するようなシステムで、SFAが営業案件の管理に利用されるのに対し、営業プロセスに至る前の顧客リストを整備し、興味関心を醸成しながら、営業可能なレベルに引き上げて営業プロセスへ引き渡すという役割に利用される。
解説
メールやWeb、デジタル広告、ソーシャルメディアやオフラインのイベントなど、マーケティングにおける顧客接点はますます多様化し、複雑化しています。さまざまなチャネルでの顧客接点をすべてを人力で統合管理し、見込み客を見極め、そのニーズの度合いを把握しながら徐々にエンゲージメント度合いを高めていくのは、至難の技です。
そこで、想定される顧客行動に合わせたマーケティングアプローチの指示を予めシナリオ化しておき、実行・検証部分を自動化する、マーケティング・オートメーションに注目が集まっています。
従来「マーケティングはクリエイティブなものであり自動化は困難」と思われてきましたが、近年の「ビッグデータ」テクノロジーによって、全チャネルにわたる顧客行動を把握し、より詳細に分析することで、確度の高い仮説を生み出すことが出来るようになったため、その先の実行や検証部分の自動化が実現しました。
実行・検証の自動化によってPDCAを高速化、モニタリングした購買シグナルを元に新たな顧客を見つけ出し、セグメント化して次のアプローチへ繋げる、効率的収益向上モデルが構築できます。
このような『ビッグデータ』を元にしたマーケティング・オートメーションの活用は今後益々重視されると考えられ、アメリカではマーケティング部門とセールス部門がSmarketing(sales+marketing)と呼ばれるような新しい部門に統合されていくのではないかとも言われています。
しかし、マーケティング・オートメーションの成否は、事前に設定する「誰に・いつ・どんな内容を・どの方法でアプローチするのか」というシナリオの精度にかかっています。正しいコンテクストで、適切なコンテンツを提示出来るかが、コンバージョンの向上に直結します。ですから、データから顧客を知り、その行動を理解し、どれだけリアルな顧客ペルソナと綿密なカスタマージャーニーを創りだせるかが重要になってきます。企業はプライベートDMPによるデータ一元化が急務となり、マーケターはますますデータサイエンティスト的素養が求められるようになるでしょう。
先日、マーケティング・オートメーションソフトウェアの最大手である米国のMarketo Incが日本法人の設立を発表し、いよいよ日本でもマーケティング・オートメーションの導入が本格化しそうです。マーケティング・オートメーションによって、One to Oneコミュニケーションが、よりリアルタイムに、よりパーソナルな方向へ向かっていくのではないでしょうか。そうなるともっと「個人」を知ることが出来るデータが必要となります。行動履歴データだけでなく、心理や心象を理解するためのデータを得るために、ソーシャルメディアでのコミュニケーションがより一層重要となることは間違いありません。
イラスト
速瀬 みさき
1993年よりホラー誌デビュー。漫画家として活動しながらエッセイ、イラスト、デザインなども手掛ける。近著コミックスは、メイド喫茶にバイトで潜入取材漫画。広告代理店勤務の夫を持ちながらも、マーケティングなにそれ?状態で執筆中!
公式サイト : http://www.nanacom.com/
Facebookページ : http://www.facebook.com/hayase.mi
用語解説:ソーシャルメディアマーケティングラボ
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