Facebookの共同創業者兼CEO、Mark Zuckerberg氏が3月13日に、自身のFacebookページでインターネットと米国政府についての見解を述べた文書を発表した。「米国政府は自分たちの行動に対する透明性を改善すべきだ」とするなど、同氏は米政府へのいらだちを明らかにした。

Zuckerberg氏はここで、名指しでは触れなかったものの、2013年に内部告発により明らかになった米国家安全保障局(NSA)の監視プログラム「PRISM」をはじめとした米国政府の行動に対する不満を述べている。

「インターネットは人と人を結びつけ、チャンスを広げたり、学習したり、意見を伝えたりする共有の場」とし、インターネットを強くするためにFacebookは安全性の強化に日々取り組んでいるという。

一方で、「米国政府の行動についての報道を目にするたびに、混乱やフラストレーションを感じる。Facebookの開発者はよりよい安全性のために日夜努力しているが、犯罪者からユーザーを守ると思ってやっているのであって、われわれ自身の政府から保護のためと思ったことはない」と、Zuckerberg氏は政府の行動への失意を明かす。

そうした上で、監視問題でユーザーの信頼が損なわれていることを示唆しながら、「米国政府はインターネットに対する脅威ではなく、先頭に立つチャンピオンになるべきだ。自分たちがやっていることにもっと透明性を持つべきだ。そうでなければ、市民は最悪のことを信じてしまう」と続ける。

Zackerberg氏は、米国大統領のBarack Obama氏に、政府がわれわれの将来にもたらしているダメージについてのフラストレーションを伝えたというが、「残念ながら完全に改革が進むには時間がかかりそうだ」と感触を伝えている。

最後に、「われわれが望むインターネットを構築できるかどうかは、(政府ではなく)われわれにかかっている」とZuckerberg氏は記し、そのための努力を重ねていくと決意を示している。

NSAとFacebookについては、つい先日、監視情報を集めた情報サイトのInterceptがNSAがFacebookのサーバーになりすまして監視対象のコンピューターにアクセスしていると報じている。

FacebookのCEO、Mark Zuckerberg氏(写真は2月末の「Mobile World Congress 2014」にて)