電通国際情報サービス(以下、ISID)は1月31日、製品や生産設備の故障発生を予測し、稼動停止による経済的損失を未然に防止する予知保全分野において、先進的ノウハウを持つ米プレディクトロニクスと資本・業務提携し、同社発行済み株式の15%を取得したと発表した。

ISIDは、本提携を通じ、同社のテクノロジーを活用した「知的保全ソリューション」を、今後国内製造業向けに提供していく。

知的保全の流れ

現在行われている予知保全の多くは、熱や振動といった少数の物理事象の変化に着目した分析手法を用いており、保全効率化の観点で一定の効果を上げている。一方、欧米の先進企業では、動作条件や設置環境などに応じた状態変化を、複数の変数を組み合わせて多面的に分析することにより、保全のための故障予測はもとより、生産・保全計画の改善や事業効率化にまで反映させる、より先進的なテクノロジーの研究・適用が始まっている。

センサー等により収集される膨大な稼動監視データの分析には、いわゆるビッグデータの処理技術が必要になり、故障の発生を高精度に予測するためには高度な予測技術やノウハウが必須となる。そこでISIDは、本分野で先進の技術とノウハウを保有する米プレディクトロニクスと提携に至った。

両社は、日本における共同マーケティングの実施、パイロットプロジェクトの獲得と遂行につき合意。ISIDは、日本国内においてプレディクトロニクスより同社の技術やノウハウの独占的移転を受け、顧客に対し知的保全に関する各種サービスを提供していく。

併せてISIDは、プレディクトロニクスの発行済み株式の15%を取得するとともに役員1名を派遣し、両社は早期に日本における実績を築き事業を推進していく。