三菱レイヨンは1月23日、自動車用途における炭素繊維・複合材料事業の強化拡大を図るため、自動車用の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製部品メーカーである 中国「Action Composites International(AC)」に資本参加することを決定し、同社株式の35%を取得したことを発表した。

自動車分野では、軽量化素材としてCFRPを採用する動きが主に高級スポーツ車を中心に進んでおり、その需要が急増している。そのため、それらCFRPを用いた製品を供給する企業は、さらなる量産供給体制の構築が求められるようになっている。三菱レイヨンも、グループ会社であるチャレンヂに、ハイサイクル成形技術であるPCM(プリプレグ・コンプレッション・モールディング)工法を導入し、「NISSAN GT-R」2014年モデルのトランクリッドをはじめとする自動車向け部材の供給を進めてきたという。

一方のACは、自動車用CFRP製部品の専業サプライヤで、欧州の高級量産車を中心に採用拡大を図っており、従来工法に加えてPCM工法によるCFRP製部品の製造販売も進めており、今回の三菱レイヨンの資本参加により、技術ノウハウを修得し、短期間で事業を拡大させる計画だという。

なお三菱レイヨンでは、炭素繊維・複合材料事業において、産業用途の拡大に向け材料から成形品にいたるバリューチェーンのグローバルな展開を計画しているとのことで、今後、ACを、チャレンヂに続く第2の自動車用部品の成形拠点として位置付け、量産性に優れるPCM工法を導入して製造能力を増強し、自動車向けCFRP製部品のサプライチェーンを強化していく方針としている。