STMicroelectronicsは1月22日、スタンドアロン型の1チップ測位用IC「Teseo III」ファミリとして、「STA8089/8090」2シリーズを発表した。

同ファミリは、中国の北斗、米国のGPS、欧州のガリレオ、ロシアのグロナス、日本の準天頂衛星といった、複数の衛星測位システムからの信号を受信することができる。従来品の「Teseo II」をベースとしており、測位精度がさらに向上している。また、自動車用途で見られるような、センサを使った推測航法(デッドレコニング)やアシスト型GNSSをサポートする。

さらに、RF、デジタル制御回路、フラッシュメモリを全て内蔵した1チップソリューションで、位置にかかわらず複数衛星による同時測位が可能なため、ビル群のように建物などの障害物によって衛星からの受信が困難な場所でも優れた精度を発揮する。加えて、他の「Teseo」ファミリ製品と同様に、高い測位精度と屋内感度性能を両立させている。

「Teseo III」ファミリのうち、「STA8089」シリーズは「Teseo II」とピン配列互換性を有しており、各種機器に北斗衛星のサポートを追加できるため、アプリケーションを迅速に移行することが可能。「STA8090」シリーズは、北斗衛星のサポートに加え、高効率なパワーマネージメントユニットが追加されている。

なお、現在認定評価中で、2014年第1四半期よりサンプル出荷を開始する予定。

STのスタンドアロン型の1チップ測位用IC「Teseo III」のパッケージイメージ