SHINDOなど、電子テキスタイル製造技術を用いたLEDスポーツウェアを開発

SHINDOは1月21日、福井県工業技術センター、産業技術総合研究所(産総研)と共同で、電子テキスタイル製造技術を応用して、LEDの点灯により冬山や夜間でも視認性の高いLEDスポーツウェアを開発したと発表した。

近年、スポーツウェアの分野では、冬山や夜間の視認性を向上させるため、照明機能への関心が高まっている。しかし、従来より用いられている反射板では、外部からの光がないと機能しない。また、これまでのLEDリボンは曲げによる断線を防ぐため、プラスチック基板上にLEDが配線されているのに加え、透明樹脂で保護されており、硬くて重く、着用時に違和感があるという問題があり、衣服などに取り付けるためには、柔らかい布などを基板とした配線の実現が求められていた。

そこで研究チームでは今回、リボン上にLEDを配線する技術と、衣服に取り付けるための熱融着性および防水性を有する材料による樹脂加工技術からなる電子テキスタイル製造技術を開発。開発においては、福井県がリボンに配線を織り込む技術を、産総研がリボン上の配線にLEDをはんだ付けする装置を、SHINDOがリボンを衣服に取り付けるための樹脂加工技術を担当した。これまで、配線が形成されているプリント基板上にLEDを実装する装置は存在したが、柔らかいリボン上の配線にLEDをはんだ付けする装置はなかった。今回、両側でリボンを送り、位置決めしながら、LEDをはんだ付けする装置を開発し、LEDリボンを製造できるようにした。

LEDリボンは、薄型・軽量かつフレキシブルな照明材料であり、ウェア着用時も違和感がなく、また、LEDリボンの取り付けは熱融着を採用しているため、縫い目がなく、ウェアの高い防水性および防寒(保温)性を維持できる。

SHINDOは、LEDリボンのサンプル出荷を2014年春より開始する予定。また、現在は電源としてボタン電池を使用しているが、用途などに応じて充電式バッテリもラインアップしていくという。産総研は、今回のLED以外に温度や湿度などのセンサをリボン上にはんだ付けする技術を開発し、さまざまな機能を持つリボンの実現を目指すとコメントしている。