アドビ システムズは、Adobe Creative Cloudのメジャーアップデートの一部として、「Illustrator CC」および「InDesign CC」への機能追加を実施した。
Illustrator CC
Illustrator CCに追加された新機能としては、シェイプやパスのコーナーを丸める、いわゆる「角丸」の編集を簡便化する「ライブコーナー」機能がある。角を丸める方法はいくつかあるが、再編集の際に手間がかかるなどの問題があった。このたび加わった「ライブコーナー」機能により、角丸の調整などを行うことが簡単になった。
実際に使う際には、「ライブコーナーウィジェット」というハンドルをつまみ、動かすだけで簡単に角を丸めることができる。さらにライブコーナーウィジェットの上でダブルクリックするとパネルが表れ、角丸の半径を数値で調整したり、「コーナー」の種類を変更することで角を凹ませたり、面取りしたりすることもできる。加えて、複数の角を一度に選択して、一挙に角を丸める操作を行うことも可能となっている。
そのほか、以前から搭載されていた「鉛筆ツール」の改良が行われた。デモを行ったCreative Cloudエヴァンジェリスト・仲尾毅氏によると、従来の鉛筆ツールは正確な描画を行うがゆえに、フリーハンドで描いた線のアンカーポイントが多くなり、編集時に余分なポイントを削除してから作業を進めることも多くあったという。新しくなった鉛筆ツールでは線のスムーズの精度が高められており、値を調整すると、フリーハンドで引いた線に関しても、始点と終点のみにアンカーポイントがあるなめらかな線を実現することができる。また、オプションかaltキーを押しながらの操作で直線を、Shiftキーを押しながらの場合は垂直あるいは45度の角度に限定した直線を引くことができる。
そのほか、パスのセグメントをドラッグして思い通りに変形を行う「パスセグメントのリシェイプ」という新機能が追加された。これにより、曲線を含むシェイプを、直線を引いておいて中央部を少し膨らませるような操作で作ることが可能となった。アンカーポイントツールかダイレクト選択ツールを選択し、パスの上にカーソルを乗せるとアイコンが変更されるので、その状態でパスをつまんで、フリーハンドで調整を行うことができる。直線を曲線に変更することも、曲線の角度調整も可能。ちなみに、ペンツールからも利用が可能となっており、ドローイングの途中でオプションあるいはaltキーを押すことで、パスのリシェイプを行うことができる。
これ以外にも、従来よりサポートされていたSVG形式のファイル書き出しがアップデートされ、Webブラウザの幅に合わせた表示が可能な「レスポンシブWebデザイン」に対応。[オプション]>[詳細オプション]のなかに追加された「レスポンシブ」にチェックを入れることで、レスポンシブWebデザインに対応したSVGファイルを出力することができる。
InDesign
DTPソフト「InDesign」では、Typekitとの連携がまず挙げられる。InDesignのフォントメニューから素早くアクセスできることはもとより、共同作業で扱うフォント内に不明なフォントがあった場合も、不足しているTypekitフォントを自動で検索し、ワンクリックで同期し、意図通りの表示を行うことが可能となった。
ハイパーリンクを自動でテストし、デッドリンクの場合赤丸を表示するアラート機能も追加された |
フォント情報に欠落がある場合はピンク色で表示され、同期はボタンひとつで実行できる |
脚注の番号にカーソルを合わせると、フキダシ内にその内容が表示されるようになった |
加えて、右クリックメニューにハイパーリンクの作成・テスト用の項目が追加されたほか、EPUB機能を強化。EPUBの脚注機能をサポートし、テキストの色やテーブル、先頭文字のスタイルをより正確に表現できるようになった。