東芝メディカルシステムズは1月14日、従来は困難であった低流速の血流を非造影で描出できる新たなイメージング技術「Superb Micro-vascular Imaging(SMI)」を開発し、自社の超音波診断システム「Aplioシリーズ」に搭載可能な機能として提供を開始したと発表した。

超音波診断は被ばくがないことから、診断からフォローアップまで幅広い臨床領域で用いられており、近年では、がんや腫瘍の確定診断から治療方針の決定、そして治療後の効果判定に有効な診断方法としてその重用されるようになっている。

しかし、従来のカラードプラ法による観察では、微細で低流速の血流の描出に技術的な限界があり、このため超音波造影剤を使って検出能を高める手法も一部で用いられるものの、適用部位の制限や患者への負担といった点で使用に制約があった。

今回開発されたSMIは、同社が2001年より実現してきた高分解能のドプラ技術「Advanced Dynamic Flow(ADF)」と、Aplioシリーズに搭載されているアーキテクチャ「High Density Beamforming」と「Rael-time Application platform」を組み合わせることで、造影剤を用いない状態でも、微細で低流速の血流を描出可能な技術。

これによりがんや腫瘍、関節リウマチなどの早期診断や治療方針の決定などをサポートすることができるようになるほか、造影剤を使うことで、より感度のよい確かな診断に貢献することが可能になると同社では説明している。

SMIではモーションアーチファクト特有の特徴を解析し、臨床上必要な情報のみを取り出すことに成功した