Creative Cloud時代の画像編集ソフト「Photoshop」とは

デジタルカメラの時代、必須のソフトとなったAdobe Photoshop

写真家・写真愛好家にとっていまや必須のソフトとなった画像編集ソフト「Adobe Photoshop」だが、使用するPC/MacのOSとのマッチングや、デジタルカメラの絶え間ないモデルチェンジに追われて「カメラは最新だが、Photoshopは古いバージョンのまま」というユーザーも依然として多いようだ。2013年5月にPhotoshop CCとして提供開始された最新バージョンは通算で14番目となるが、Creative Suites以前のバージョンを使うユーザーには、クラウド時代のバージョン管理や販売方法がわかりにくい人もいるのではないだろうか。そこで本レポートでは、PhotoshopとAdobe Creative Cloudの関係、購入方法の変化について触れてみたい。

購入方法はオンラインのみ

従来から親しまれてきたPhotoshop、Illustrator、InDesignをはじめとするアプリケーションは全て、このAdobe Creative Cloudのなかに含まれ、Phototoshopはその中の一アプリケーションという位置付けだ。

Creative Cloud最大の特徴は、アプリケーションのパッケージ販売がなくなり、全てAdobeのサイトからダウンロードしてインストールする形態に変わったこと。購入する際には、インターネット接続環境を持つPC/Macをユーザーが用意する必要がある。今まではパッケージ（CDやDVD）を購入していたものが、インターネットからダウンロードして使う使用権（サブスクリプションとAdobeでは呼んでいる）を買うスタイルに変化したのだ。それに伴い、サブスクリプションの決済方法も今までとは異なるスタイルに変化している。

決済方法は「一度にまとめて」から「月額」に

パッケージ販売でアプリケーションを購入する際、一度に大きな出費を強いられることが心理的負担になっていたユーザーは少なくないはずだ。Creative Cloudは「使用するソフトの使用権に対してお金を払う」という概念に変わり、契約も月単位、年単位の二種類が選べるようになった。支払は個人の場合、クレジットカード決済によって行う。PhotoshopとIllustrator、Creative Cloudについては店頭扱いサブスクリプションもあるが、3カ月版または12カ月版のみの提供となり、一括で支払わなければならない。

製品名	年間プラン	月々プラン
Photoshop CC 単体製品	2,200円/月	3,200円/月
Adobe Creative Cloud通常版	5,000円/月	8,000円/月
Photoshop CC 単体製品 写真業界向けプログラム	1,000円/月	（設定なし）

表は月単位、年単位でそれぞれ契約した場合の実際に支払う金額をまとめたものだが、ここで注目してほしいポイントがふたつある。ひとつはCreative Cloud通常版（Photoshopだけでなく、他のアプリケーションソフトも含まれる）の価格が、単体サブスクリプション版をいくつも契約するよりも割安な価格に設定されていること。そして、Photoshop単体サブスクリプション版も、2013年12月31日までの期間限定で割安価格が設定されていることだ（後述）。InDesignやillustrator、Acrobatなど、複数のアプリケーションソフトを使う場合は、Creative Cloud通常版の契約も検討しよう。なおCreative Cloud契約と、ダウンロードしたアプリケーションソフトを使用するにはAdobe IDが必要（登録は無料）だ。

「クラウド」だが、常時接続は不要

アプリケーションそのもののダウンロードはインターネット環境がないと不可能だが、ダウンロードしたアプリケーションはPC/Macにインストールして使用するので、他のクラウドアプリケーションと異なり常時接続である必要はない。インストール後初回起動時と、30日ごとに行われるライセンス確認のときのみ、Adobeサーバーとの確認作業を行うためインターネット接続が必要になる。

常に最新バージョンが提供される

サブスクリプションの契約期間中、Adobeからは常に最新のアップデートを受け取ることができ、ユーザーはそれを実行することによってアプリケーションを最新のバージョンに保つことができる。パッケージ版のような追加料金を支払ってアップグレード版を購入するという概念はなくなった。

2台同時起動が可能に

Creative CloudではOSを問わず、1ライセンスで2台のPC/Macにアプリケーションをインストールすることが可能になった。1台はWindows、もう1台はMacという使い方も可能だ。また同一ネットワーク上で同時に起動することも可能になったので「設定の同期」機能を使って2台のマシンを同一環境に整えることも簡単にできるようになった。

今ならPhotoshopサブスクリプションが月額1,000円で

Adobeのアップデートポリシーは今まで、特定のバージョン以降を対象としていたが、2013年12月31日までの限定で、年間プラン契約者に限り月額1,000円でPhotoshop CCおよびLightRoom5が使えるCreative Cloud特別プランを提供している。Adobeではこれを「Photoshop写真業界向けプログラム」としているが、特に参加資格を制限しているわけではないので誰でも参加することが可能だ。 Photoshopを語る上で絶対に忘れてはならないのがAdobe CAMERA RAWだが、Photoshopを常に最新のバージョンに保つことにより、最新のデジタルカメラのRAWデータを最良の状態で補正処理できるのはPhotoshop CC最大のメリット。この特別プランを使えばそれも容易に実現することが可能になるので、この機会に是非検討したい。