MM総研は12月25日、身に着けるコンピュータ「ウェアラブル端末」について、消費者調査や企業へのインタビューをもとに調査を行い、日本および米国の市場展望をまとめた。

調査対象は日米のスマートフォン所有者で、回答件数は日本が1000人、米国は500人。日米ともに男女は半々の割合で、15~59歳にアンケートを行った。調査期間は11月22日から12月5日。

調査結果によると、ウェアラブル端末の知名度については、「よく知っている」「知っている」「名前は聞いたことがある」の合計数値を「知名度」として算出したところ、日本は27.9%、米国は83.4%となり、米国が日本を大きく上回った。

個別の製品の認知度については、メガネ型端末「Google Glass」の知名度が日本で49.2%、米国で77.0%、ソニーの腕時計型端末「SmartWatch」の知名度も日本37.1%、米国70.2%という結果となった。

ウェアラブル端末の関する知名度調査

ウェアラブル端末の開発、製品化で期待する企業についての質問を行ったところ、メガネ型端末については、日本ではグーグル(30.5%)、アップル(29.2%)、ソニー(26.6%)であったのに対し、米国ではグーグル(59.6%)、サムスン(40.0%)、アップル(35.4%)の結果となった。

既に各社から端末が発売されている腕時計型のウェアラブル端末に対する期待する企業では、日本がソニー(34.7%)、アップル(27.7%)、カシオ(19.8%)の順となり、米国ではサムスン(46.4%)、アップル(39.2%)、ソニー(37.4%)の順になった。

メガネ型端末で利用してみたい機能については、「地図を表示してルート検索をしたり、道案内をしたりする」が日本47.2%、米国55.2%で、ともにトップだった。

このほか日本では「駅の中で乗り換えの時間だけでなく、場所の案内もしてくれる」(38.9%)、「視線の先にあるものの名称や関連情報が表示される」(30.5%)、米国では「目の前にある風景を撮影して、SNS で共有する」(52.0%)、「自分の求めている商品がある場所まで案内してくれる」(50.2%)が上位だった。

利用してみたい機能

ウェアラブル端末については、メガネ型端末が「見せびらかしたい」「やや見せびらかしたい」の合計が日本で13.5%だったのに対し、米国では40.2%だった。腕時計型についても日本は17.8%であるのに対し、米国では42.0%で、米国と比較すると、日本は周囲に溶け込む自然なデザインが好まれることが分かった。

周囲から見られることに対する意識

情報漏えいやプライバシー侵害などについて、、事業者から個人情報が漏れることに関しては、「不安に感じる」「やや不安に感じる」の合計が、日本では81.2%、米国では69.0%にのぼった。

さらに、ウェアラブル端末を利用していない場合でも、端末所有者から盗撮や追跡をされることがありうるが、その不安は日本が82.6%、米国が71.0%で両国とも高くなった。

プライバシーに対する意識

メガネ型端末の業務利用、業務利用のメリットについては、日本では「手を使わずに機械の操作ができる」が60.6%で他を大きく上回り、「ハンズフリー」であることへの期待が高いことが分かった。一方、米国では、「仲間と連絡が取りやすくなる」が55.2%でトップだった。

また、自らの業種の現場で今後導入の可能性があるかどうかを尋ねたところ、日本では運輸、金融、学校・教育、米国では建設、通信・IT関連、製造の順で高かった。

ウェアラブル端末の業務利用に関する質問

2014年度以降はアップルが開発中とされている腕時計型端末や、グーグルも「Google Glass」を発売することが想定され、16年度にかけて市場が飛躍的に拡大する可能性があるとMM総研は分析。日本の市場規模は2014年度に111万台、2020年度に604万台に拡大すると予想している。

ウェアラブル端末の市場予測