Infineon Technologiesは、欧州5カ国、26のパートナーと共同で、エネルギー効率に優れたソリューションの開発を目指して環境センサおよびセンサネットワークに関する研究プロジェクト「Environmental Sensors for Energy Efficiency(ESEE)」を発足させたと発表した。
Infineonがリーダー役を務める同プロジェクトでは、シームレスに接続されたセンサを通じて、建物や客室のエネルギー管理システムにデータを提供し、エネルギー消費の削減を支援することを目的としている。同プロジェクトを通じ、温室効果ガス排出を削減する技術において、欧州が占める位置付けがさらに強化されることが期待されるとしている。
現代の建物管理システムにおいて空気の質を監視するには、インターネットに接続されたセンサシステムが不可欠となる。同プロジェクトでは、二酸化炭素、一酸化炭素、湿度などの環境パラメータを監視する、新しいセンサシステムの開発に注力している。エネルギー使用削減に寄与する手段を見出すため、高度な信頼性を持つ環境条件関連の情報を必要とするアプリケーションをターゲットとしている。同技術を空気の質を管理するソリューションと組み合わせた場合、建物内でのエネルギー節約の余地は30%を超え、飛行機の場合にはエネルギー収支全体の約5%に達する。また、電気自動車など、他の屋内の空調に関してもさらに市場ポテンシャルが存在するという。
ESEEプロジェクトは参加各国の国および地域の予算支援と、ENIAC Joint Undertakingを通じて欧州連合の支援を受けており、2700万ユーロの予算が充てられている。例えば、ドイツの連邦教育科学研究技術省は、「Information and Communication Technology 2020」プログラムに基づきESEEプロジェクトを支援している。同プロジェクトの期間は2013年4月~2016年3月の予定。