三菱電機は11月19日、衛星放送の受信機や超小型衛星通信地球局の受信モジュールに用いる低雑音増幅器用高周波デバイスの新製品として、GaAs HEMT「MGF4937AM」を発表した。

人工衛星を用いた無線通信システムは、設置コストで光ファイバなどを用いた有線システムに優るため、途上国を中心に需要が拡大している。このような中、無線通信システムで使用される衛星放送の受信機や、超小型衛星通信地球局の受信モジュールでは、低雑音性能と生産性の向上が求められている。

同製品は、トランジスタ構造の改善とパッケージング方法の最適化により、受信モジュールの高性能化を図った。具体的には、デバイス内での信号増幅の悪化度合いを示す雑音指数で0.37dBを実現した。従来品より0.08dB低減している。また、4PINフルモールド構造パッケージの採用により、パッケージ構造を簡素化した。これにより、従来の中空構造パッケージで課題だった組み立て効率が改善するという。

なお、サンプル価格は25円(税別)。月産400万個体制を構築し、12月20日より発売する。

三菱電機のGaAs HEMT「MGF4937AM」