Dart: Structured web programming

Googleは11月14日(米国時間)、プログラミング言語Dartの初のメジャーバージョンとなる「Dart 1.0」を公開した。DartはWebアプリケーションの開発を目的として開発が進められてきたプログラミング言語。JavaScriptでは大規模なWebアプリケーションの開発は困難であるとし、この問題を解決するためのプログラミング言語開発として2年前にプロジェクトが発足。2年の開発期間を経てプロダクションレディになったとし、今回の「Dart 1.0」登場となった。

公開されたSDKは開発に必要になるコンパイラ、実行環境、エディタなどを含んでいる。Dart Editorと呼ばれる開発環境はコード補完機能、リファクタリング機能、デバッグ機能、ヒント機能、警告機能などを備えている。Dart仮想マシンをサーバとして使用することもでき、Dart仮想マシンを内蔵したカスタム版のChromiumとなる「Dartium」を使って直接ブラウザ上で開発することもできる。

既存のブラウザで動作させる場合には「dart2js」を使ってDartのソースコードをJavaScriptへ変換する。この2年間の開発期間を経て「dart2js」が生成するJavaScriptのコードは、ネイティブにJavaScriptを記述した場合と同じレベル、またはそれを上回る性能を発揮するようになったと説明されている。生成されるJavaScriptはサイズも小さく、性能もよい。

DartはすでにGoogleのいくつかのプロジェクトでWebアプリケーション開発に用いられているほか、サードパーティプロジェクトでも使用例がある。統合開発環境を提供しているベンダがDartへの対応に取り組むなど、採用シーンを広げている。