ON Semiconductorは、幅広い入力電圧レンジと広範な動作温度レンジを備え、自動車用パワートレインおよび車内配置に最適化されAEC認定ICとして、自動ウェイクアップおよびシャットダウン機能付き非同期型昇圧コントローラ「NCV8876」および2.1MHzスイッチング周波数デュアル・チャネル・ステップダウンDC-DC降圧コンバータ「NCV896530」を発表した。

NCV8876は、2V~44Vの入力電圧で動作し、車両のバッテリ電圧低下に対応するために、起動・停止状態時に最小出力電圧を供給するように設計されており、外部NチャネルMOSFETを駆動し、電源電圧が7.2V以下に低下するとアクティブになり、6.8Vより低くなると昇圧動作を開始する機構となっている。

また、デバイスがスリープ・モードのときは11μAの静止電流で済むほか、一連の保護機能として、サイクル単位の電流制限、サーマル・シャットダウン(170℃のスレッショルド)、およびヒカップモード過電流保護があるほか、内部スロープ補償付きピーク電流モード制御により、全電圧範囲にわたってデバイスの安定動作が保証されていることから、電流制限を超えた場合にサイクルの残りの期間は電源スイッチをオフにして、電流障害状態でも確実にデバイスを保護することが可能となっている。

一方のNCV896530は、先進ドライバ支援システムをターゲットにした製品で、両方のチャネルを外部から調整可能(0.9V~3.3Vに対応)で、最大1600mAの電流を供給することが可能。同期整流方式により、システムの効率を向上させることが可能であり、ソフト・スタート、サイクル単位の電流制限、およびサーマル・シャットダウン保護などの機能の集積により、オートモーティブ環境での配備でも活用が可能となっている。

なお、2製品ともにすでに量産出荷を開始しており、3000個注文時の単価はNCV8876が0.90ドル、NCV896530が1.20ドルとなっている。

NCV8876のパッケージイメージ

NCV896530のパッケージイメージ