矢野経済研究所は10月10日、国内のBPO市場、クラウドソーシング市場の調査を実施し、その結果を発表した。
同調査は、2013年4月から9月に、SIer/コールセンター事業者/印刷会社/倉庫会社/コンサルティング会社などのBPO市場参入事業者、人事系/経理系/医療系/オフショア系などのBPO事業者、クラウドソーシング事業者に対して同社社専門研究員による直接面談、電話・Eメールによる取材、ならびに文献調査を併用して実施したもの。
本調査におけるBPOとは、通常企業内部にて行われるシステム運用管理業務、コールセンター系業務、間接部門系業務、直接部門系業務などの業務を顧客企業から業務委託を受けて代行するサービスを指し、従来から外部に委託することが一般的な、税務、物流、情報システム開発、ビルメンテナンスなどの専門的な事業所向けサービスに関しては対象外としている。
調査によると、IT系BPOと非IT系BPOを合わせたBPO市場の2011年度から2017年度までの年平均成長率は2.5%で推移し、2017年度には3兆7,439億円(事業者売上高ベース)に達すると予測。
IT系BPO市場の2011年度から2017年度までの年平均成長率が3.7%であるのに対して、非IT系BPO市場は同1.1%と緩やかな成長になると予測。特に2011年度は、東日本大震災の影響で企業インフラの重要性が再認識され、IT系BPOに対する企業の投資の優先順位が上がったのに対し、非IT系BPOの優先順位は下がり、同市場規模は前年度割れとなった。
但し、2014年度の消費税増税前に非IT系BPOを活用した体制の整備を進める企業や、グローバル化に対応して非IT系BPOを活用した経営効率化や競争力強化などを進める企業が増加するため、微増ながらも成長は続いていくと予測。
また、新しい業務委託形態であるクラウドソーシングが注目され、2013年度のクラウドソーシング市場規模(仕事依頼金額ベース)は、前年度比230.9%の246億円見込み。クラウドソーシング市場は、2011年度から2017年度までの年平均成長率は79.3%で推移し、2017年度のクラウンドソーシング市場は、1,474億円に達すると予測される。