USENは、同社のオフィス向けBGMサービス「Sound Design for OFFICE~働く人のメンタルバランス・ミュージック~(SOD)」によるヒトの免疫力効果の影響をまとめた調査結果を発表した。

調査の内容は、仕事に従事している7名のオフィスワーカーがSODのオリジナルのチャンネル「S-01 Concentration~働く人の集中力UP~」を聴くことで、受動的音楽療法がヒトの免疫量にどういった効果があるのかを確認したもの。埼玉医科大学・和合治久教授がモーツァルト研究の中で導き出した”集中力を高める音楽要素”を取り入れたという。

詳しい調査結果は以下となる。

  • 体温への影響:実験から1時間後で体温が上昇した人が29%だったのに対し、2時間後では43%に増加。通常デスクワークをしていると下がっていく体温が、音楽を聴いて上がった。これは次第に血流が良くなっていることを示唆している
  • 唾液分泌への影響:100%(全員)増加した。仕事を継続すると減る傾向にある唾液量が、音楽を流すことにより、抑制効果が出て、唾液が増えたことが分かる。これは、交感神経が優位な状態の人が、副交感神経の方にスイッチが入り、細胞の分泌能力が高まったといえる
  • 唾液IgAへの影響:実験から1時間後では57%の人が増加し、2時間後では29%が増加した。仕事中にも拘わらず、免疫物質が出てきて免疫力が高まった人がいることが確認できた
  • 唾液コルチゾールへの影響:実験から1時間後、全員100%減少した。2時間後でも57%の人が減少した状態が続いていた。ストレスホルモンが低下した結果が得られた。コルチゾールはリンパ球の機能を抑える作用があるため、これが低下したことは免疫力向上に大きな意味がある
  • 唾液クロモグラニンAへの影響:実験から2時間後では86%の人が増加した(この物質の反応は遅いため、1時間目の測定は除外)。唾液クロモグラニンAとは、交感神経が作用しているときに現れる物質であるため、確かに仕事をしている状態と受け取れる

同社では「S-01 Concentration~働く人の集中力UP~」を聴くことでストレスホルモンであるコルチゾールが減少し、仕事を継続していたら下がりがちな体温や唾液分泌量、免疫を高める物質である唾液中のIgA抗体も増加したことが、今回の実験で大半の被験者から確認できたとしており、職場でのBGMは集中して聴き入るものではないにも関わらず、免疫力を高めるような効果が得られると考えられ、副交感神経を刺激することで、心身や脳の疲労を休め、集中力を高めることにも有効だとまとめている。

「S-01 Concentration~働く人の集中力UP~」を聴いたときの免疫力の変化を示したグラフ