FreeBSD - The Power To Serve |
FreeBSD 10.0-RELEASEへ向けた取り組みが続けられている。すでに2つのALPHA版がリリースされており、2013年内でのリリースを目指している。FreeBSDプロジェクトはだいたい2年おきに新しいメジャーアップグレードバージョンをリリースしている。FreeBSD 10.0もそのタイムスケジュールにしたがって作業が進められている。
FreeBSD 10.0で登場する新機能は多岐に渡り、注目度の高いものが多い。この新機能に関してFreeBSD Newsに新機能のまとめ記事「FreeBSD 10′s New Technologies and Features」が掲載された。FreeBSD 10の新機能が読みやすいボリュームでまとまっており参考になる。紹介されている新機能は次の通り。
- 新しいパッケージ管理システムpkgngの導入
- ZFSの機能強化と改善(ZFS TRIMのサポート、デフォルトよりも圧縮率が最大で50%高くなるLZ4圧縮のサポート、L2ARC圧縮のサポート、NOP-writeの最適化)
- UFSを実行時に拡張する機能の実現(仮想システムにおいて動的に仮想ディスクを追加してファイルシステムを拡張したい場合などに便利な機能)
- UFS fsckの高速化
- 新しい完全仮想化/準仮想化ハイパーバイザBHyVeの導入
- 準仮想化を実現するVirtioインタフェースへ対応
- Xen DomU x86_64およびXen i386 PVをサポート (USB PVドライバ対応、SCSIパススルー対応、PowerPC/ARM/MIPSに対応、PV SMPをサポート)
- デフォルトコンパイラをGCCからLLVM/Clangへ切り替え
- BINDの廃止。システムのDNSとしてUnboundおよびLNDSを採用
- Unmapped VIOMバッファの導入。バッファの作成および再利用においてTLBを使用したマッピング処理が不要になるため、大規模SMPマシンにおいて高負荷入出力時における動作時間を25%~30%ほど削減できるとされている
- PFファイアウォールにおけるマルチコアの対応
- 高性能ネットワークを実現するためのNetMapフレームワークの導入
- Tickに依存しないカーネルの実現。結果としてノートPCにおける電力消費が改善するほか、仮想マシンにおけるリソース効率が向上する
- 可用性と相互接続性の向上した新しいiSCSIスタックの導入
- 新しく実装したCARP機能
- IvyBridgeおよびHaswellプロセッサにおけるRDRANDインストラクションセットのサポート
- デフォルトのC++ライブラリをlibstdc++からMIT/UIUCライセンスで提供されているlibc++へ変更
- VIMAGE/Jailを拡張するVPS (Virtual Private Systems)の導入。VIMAGE/Jailの環境を動的にあるホストから別のホストへライブマイグレーションする機能を実現する (10.1以降に登場の見通し)
- プロセス単位、Jail単位、システム単位で利用可能な可変シンボリックリンクの導入(10.1以降に登場の見通し)
- Apple Thunderboltのサポート (10.1以降に登場の見通し)
- USB AUdio 2.0のサポート (10.1以降に登場の見通し)
- UEFIブートローダの導入 (10.1以降に登場の見通し)
- PCIホットプラグのサポート (10.1以降に登場の見通し)
これまでベンダやユーザから求められていた多くの機能が導入されている。FreeBSDベンダから多くの実装がバックポートされている。