計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは8月22日、1台のシステムに様々な独自技術を盛り込んだ自動分注システム「アンコールマルチスパン自動分注システム」を発表した。

同製品は、デュアルスパンピペッティングテクノロジーによる8チャネルピペッタと、本体の外側の広い範囲に届く高性能ロボットアーム、3Dソフトウェアにより、生産性やスループットを向上できる。また、同システムを活用することで、ワークフローの大半を自動化することができる。

搭載された機能のうち、デュアルスパンピペッティングシステムは、スパン4ガントリーを2個装備している。それぞれが独立して動き、また、Y軸方向だけでなく、X軸方向にも広がる構造となっている。これにより、高速化を図り、従来製品と比べて最大で2倍のスループットが実現する。個々のピペッタの間隔は、可変で完全に独立しており、チューブ、バイアル、プレート、試験管など、様々な容器に対応する。

ソフトウェアは、ドラッグ&ドロップベースの3Dシミュレータを備えている。実機を動かすことなく、プロトコルのセットアップ、可視化、最適化を実行できるため、安全にプロトコルを検証し、スムーズにプロトコルを作成することができる。

ロボットアームは、最大53cmまで本体の外側に届く。また、特許取得済みのワンタッチイージーティーチングも搭載。これにより、様々な機器との統合が可能となり、ワークフロー全体の自動化が容易となっている。

これらの独自技術の融合により、多様な用途においてワークフロー全体の自動化を短時間で簡単に行える。用途として、HTS(高速スクリーニング)、ELISA(酵素免疫測定法)、ADME/TOX(薬物動態/毒性試験)、化合物分析、ゲノミクスプロテオミクスにおけるサンプル前処理などを挙げている。

「アンコールマルチスパン自動分注システム」の外観