レンガが運営する「マンションノート」は、日本全国の数十万件にものぼるマンションについて、居住者、元居住者、周辺住民、専門家、不動産業者、オーナーなど、あらゆるステークホルダーが、自分の立場を明らかにしたうえで、意見や評価を投稿するサイトだ。

本サイトの特徴として、これからマンションを購入したいと思っているユーザーが、「クチコミ」「ランキング」「周辺マップ」という3つのカテゴリで情報を収集し、検討することができるという点がある。マンションを取り巻く人々からの生の情報を集め、どういった目線での意見かを明確にすることにより、検討する利用者がマンションでどのような生活を送ることになるのか、リアルに想像できる。

例えばクチコミ情報としては、「(良い)遮音性や断熱性がよい(30代/男性/住人)」「(良い)駅からはアーケードなので雨に濡れない(50代/男性/住人)」「(気になる)上の音が気になることがある(50代/女性/住人)」などのように、マンションや周辺地域に関するコメントが得られ、それぞれ良い点や悪い点などがハッキリと述べられている。有益な情報を投稿したユーザーは「優良レビュアー」として紹介されるため、提供する情報にも熱が入る。

☆の数で示される評点は、クチコミによる定性的な評価と、マンション自体のスペックと周辺施設情報による定量的な評価を組み合わせ、マンションノート独自のアルゴリズムで計算される。これは、ほかの不動産比較サイトにはない試みだ。例えば、医療施設がすぐ近くにあると評点が上がると考えがちだが、大病院で救急車のサイレンが頻繁に鳴ってうるさいと判断される点は、マイナスの評価となる。こうした評点方法は今後も研究を続け、精度を高めていくとのことだ。

評点とクチコミ情報の詳細は、自らマンションに関するクチコミを投稿して初めて見られるようになる。ギブ&テイクの精神が重要だ

マンションの周辺マップページには、スーパーやコンビニ、飲食店、レンタルビデオ、医療機関、公園、金融機関などの施設が表示され、徒歩圏内の利便性がよくわかる。有益な施設だけでなく、ギャンブルやレジャーホテルなど、不動産会社のサイトではなかなか見られない情報も得ることができる。新しい施設の情報はユーザーが投稿できるようになっており、移り変わりの激しい都会でも最新の情報を得られる。

周辺マップには有益な情報のほかに、ギャンブルやレジャーホテルなどの情報も記載され、公平に判断することができる

マンションノートは、「一生ものの買い物であるのに参照できる情報が少なすぎる」という、ごく当たり前の疑問からスタートしたという。「良い情報」だけでなく、治安や交通などの「悪い情報」も欲しいのに、不動産会社は言わない。マンションノートは、そうした"生"の情報が集まるサイトだ。評点のアルゴリズムだけでなく、ユーザーインタフェースにも改良を重ね、価格や広さといった新しい検索軸やレコメンド機能なども追加する予定だという。よりいっそう使いやすく、情報が集まりやすく、ユーザーが探しているマンションを確実に見つけることができるサービスが期待できそうだ。