NECとNECマグナスコミュニケーションズは7月23日、10Gbpsの伝送速度に対応した広域Ethernet向けレイヤー2回線暗号装置「COMCIPHER XL2B」を発売した。価格は1,250万円(税別)から。

COMCIPHER(コムサイファー) XL2B

官公庁や企業などでは、機密情報の伝送や情報漏えい対策として、機密性の高いネットワークへのニーズが高まっている。また一方で、映像・画像やビッグデータなどの取り扱いが増えたため、大容量のデータ伝送も重要視されている。

NECのCOMCIPHER(コムサイファー) XL2Bは、暗号アルゴリズムとして、総務省・経済産業省の電子政府推奨暗号方式であり、米国政府の標準暗号化方式であるAES(FIPS-197準拠)を採用しつつ、転送速度は現時点で国内最速となる毎秒10ギガビットを実現した。

COMCIPHER(AES)シリーズは、2Mbpsから10Gbpsまでのデータレートに対応しつつ、ビックデータの収集・配信に必要な高速・大容量通信にも対応可能な、セキュリティネットワークを効率的に構築できる。例えば、テレビ会議の動画映像配信などによってトラフィックの肥大化が見込まれる拠点間通信、データセンターとバックアップセンターとの間のディザスタリカバリ通信などでの活用が見込まれる。

本製品は、終端装置とルータ/スイッチ間に接続するだけでよく、設定の変更は不要であるため、既存のネットワークへの組み込みが容易。また、10Gbpsの高速処理であっても遅延が小さく、1ミリ秒以下に抑えられている。プロトコルにも依存しないため、リアルタイム性の高いアプリケーションでも適用できる。導入後に構成変更があっても設定を変更する必要はなく、ほぼメンテナンスフリーで運用負担が小さい、などの特長を持っている。