富士通総研は10日、環境省事業「平成25年度各家庭のライフスタイルに合わせた需要サイドの低炭素化サポートシステム普及促進実証事業」を受託。同事業の成果を活用して、富士通とともに、HEMSの開発に着手すると発表した。

HEMS(Home Energy Management System)は、家庭におけるエネルギー管理システムで、住宅に設置されたエネルギーを消費・創出する機器や、その量を測るメーター機器などをネットワーク接続することで、稼動状況監視や遠隔操作での自動制御などが可能。

同実証事業は、HEMSに特化した機器を使用せず、パソコンでHEMSを実現し、個人向けクラウドサービス「My Cloud」をコア技術として活用し、複数の家電や住設機器を一元的に自動で制御するシステムとなる。

制御システムのイメージ

富士通総研は、環境省の「平成24年度HEMS制御によるCO2削減効果の調査事業」を受託しており、省エネ効果の高い機器制御システムを富士通とともに開発し、効果検証を実施ている。この平成24年度の実証結果を踏まえ、今年度は、住む人の要求に応じて、家庭内の複数の家電や住設機器を自動で制御することを目指すとしている。

自動制御システムの主な特徴として、部屋が適温になったらエアコンの運転(電源)をオフするだけでなく、代わりにサーキュレータを回すなど、家庭内の家電をネットワーク接続することで、種類やメーカーの異なる複数の家電を組み合わせて最適に制御する。

また、パーソナリティ(暑がり・寒がり、面倒くさがり・小まめ)、ライフステージ(幼児、受験生、高齢者がいる世帯)、ライフスタイル(朝型・夜型、昼間不在がち)など、世帯の特性を捉えた機器の制御を実行する。