カネカは6月20日、同社の欧州子会社Kaneka Pharma Europeが米Capsugelと共同で独オリンピック候補選手を用いたダブルブラインド試験において、還元型コエンザイムQ10(還元型CoQ10)がアスリートにおけるトレーニングの効果を高めることを示す結果が得られたことを発表した。
同成果の詳細は「Journal of the International Society of Sports Nutrition」電子版に掲載された。
今回の研究では、2012年のロンドンオリンピックに向けて、独エッセンのオリンピックトレーニングセンターでトレーニングを継続して行ってきた100名のアスリート(男性53名、女性47名、平均年齢19.2歳)を50名ずつ還元型CoQ10群(300mg/日)とプラセボ群に分けて6週間摂取してもらい、摂取前、3週間後、6週間後、それぞれでエルゴメーターを用いた最大パフォーマンス出力(血漿乳酸値が4mmol/mLに達した時の運動強度(W/kg 体重))の測定を行った。
その結果、摂取前と6週間後の間での最大パフォーマンス出力の平均伸び率は還元型CoQ10群で11.0%、プラセボ群で8.5%となり、いずれの群も運動能力の向上(トレーニング効果)が示されたもものの、両群の間には統計学的に有意な差が認められたとのことで、この結果から、アスリートがトレーニングと還元型CoQ1 の摂取を併用した場合、トレーニング効果が高まることが示唆されたという。
なお、今回の研究に際し同社では、還元型CoQ10はドーピング対象物質が含まれていないことを独ドーピング予防研究センターにて確認済みだとしている。