QNX Software Systemsは6月13日、車載インフォテイメント用プラットフォームの新バージョン「QNX CAR Platform for Infotainment 2.1」を発表した。

QNX CARプラットフォームは、オープンスタンダードであるHTML5とOpenGL ESの両方にすでに対応している。新バージョンの2.1では、さらに対応範囲を拡大して、AndroidアプリおよびQt 5アプリケーションフレームワークで構築されたHMI(ヒューマン マシン インタフェース)に対応する。

「QNX CAR Platform for Infotainment 2.1」では、HTML5アプリと同様にAndroidアプリを個別のアプリケーションコンテナに格納してAndroidアプリを実行する。このサンドボックスアプローチはアプリ環境をHMIからクリーンに切り離し、HMIとシステム全体を予測不可能なウェブコンテンツから保護する。

同プラットフォームでのQt 5アプリケーションフレームワークに対するサポートは、アプリケーションとHMIの両方の作成において、柔軟性と高いパフォーマンスを提供する。Qt 5はOpenGL ES 2.0のハードウェアアクセラレーション機能を活用し、最適なグラフィック性能を実現する。また、ネイティブC/C++またはJavaScriptスクリプトエンジンの選択肢が提供される。ステートマシンのコンセプトに対応しているため、グラフィックスを使用して複雑なイベント駆動HMIのモデリングと設計を、自動車メーカーの仕様通りに容易に行うことができる。

また、「QNX CAR Platform for Infotainment」に統合されたHTML5フレームワークを使用してフルHMIを作成することもできる。同フレームワークには最適化されたWebkitベースのHTML5エンジンが含まれており、オーディオ、ビデオ、位置情報、WebSocket、オフライン アプリケーション、セッションストレージ、キャンバス、および、CSS3とJavaScriptその他の規格にも対応している。さらに、画素レベルの正確さを備えたズーム機能、物理ベースのスクロール、高性能パン(地図やナビゲーションで理想的)などの最適化も含まれている。この他、Elektrobit EB GUIDEやCrank Storyboard Suiteといったサードパーティの設計ツールでHMIを作成するオプションもある。

「QNX CAR Platform for Infotainment 2.1」には、パワーマネジメントの改善、より高速な起動を実現する最適化など、柔軟性とパフォーマンスの向上をもたらす複数の改善が施されている。サポート対象のハードウエアプラットフォームも、Freescale Semiconductorの「i.MX 6Dual/i.MX 6Quad」、NVIDIAの「Tegra 3」、Texas Instrumentsの「OMAP 5/Jacinto 5 Eco」が加わった。同プラットフォームの豊富な統合済みアプリケーションスイートもさらに拡張され、HearPlanet、Parkopedia、Soundtracker、wcities eventseekrのサポートが追加された。

「QNX CAR Platform for Infotainment 2.1」は、7月に早期アクセスプログラムを通じて一部の自動車関連メーカーに提供が開始される。製品リリースは2013年第4四半期を予定している。