計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは6月11日、3次元電磁界シミュレーションソフトウェア「EMPro」の最新版「EMPro 2013」を発表した。

同製品は、扱いが困難な電磁波ノイズ(EMI)の問題の特定や解決に寄与するもので、シミュレーション時間の短縮、設計効率の改善ができる新機能を多数実装しており、電子回路や部品の電磁放射のシミュレーションを行い、この放射がFCC Part 15、CISPR 22、MIL-STD-461Fなど、電磁両立性(EMC)規格に適合しているかを、仕様適合性テンプレート、およびEMProの有限要素法(FEM)や時間領域差分法(FDTD)シミュレータへの機能拡張により検証することを可能としている。

この他、機能拡張は以下の通り。

  • 高性能サーバやクラスタコンピュータ上でのリモート/分散シミュレーション、クライアントコンピュータのシャットダウン・再接続、モバイル機器でのステータスアップデート受信などに対応したジョブ管理ツールを搭載
  • 大規模設計におけるFEMのメッシュ性能と堅牢性を改善
  • 新たなFEMハイブリッド境界条件により、シミュレーションのスピードと正確性を向上
  • ポート確度、およびGPUアクセラレーションの領域でFDTDシミュレーションを強化
  • メインのジオメトリモデリングウィンドウにおいて、電気的接続性のチェックをリアルタイムで実施。これにより、不注意によるコンダクタ間のギャップを未然に防止
  • ICおよびプリント回路インターコネクトのトレースコンポーネントをパラメータ化
  • スナッピング、ベンディング、長さ測定、結果表示、大規模なオブジェクトグループの管理など、GUIを改良

なお、EMPro 2013は2013年7月から同社Webサイトからダウンロードが可能になる予定で、すでに評価版の申し込みが可能となっている。

アジレントの3次元電磁界シミュレーションソフトウェア「EMPro」の最新版「EMPro 2013」のスクリーンショット