IDC Japanは2013年6月3日、2013年第1四半期(1~3月)における国内サーバ市場の動向を発表した。出荷台数は前年同期から減少したが、平均単価が上昇したため出荷額は増加した。

2013年1Qの国内サーバ市場規模は1202億円で、前年同期にあたる2012年第1四半期から4.4%縮小、出荷台数は13万9千台で前年同期から9.3%の減少だった。一方で、x86サーバーの平均単価は54万円であり、前年同期から20%上昇した。この背景には、サーバ仮想化が普及したことにより、メモリやハードディスクの搭載量が増加したことがあるという。サーバーの平均単価上昇により、出荷台数はマイナス成長だったが、出荷額はプラス成長となった。

メインフレームは、従来どおり金融業や官公庁向けに大型案件が発生していた。しかし、前年同期のような多数の大型案件規模には及ばず、5四半期ぶりのマイナス成長となった。また、RISCサーバーは前年同期のHPC用途向け大型案件の反動からマイナス成長、IA64サーバーは通信キャリア向け大型案件が一巡しマイナス成長であった。

ベンダー別では、富士通が5四半期連続の首位で、x86サーバとメインフレームのプラス成長により、前四半期にひき続いてプラス成長を遂げた。2位はNECで、メインフレームで金融業と官公庁向けに大型案件があった。3位は、HPであり、ビジネスサーバーで金融業と運輸業向けに大型案件があった。以下、IBM、日立製作所と続いた。

2013年第1四半期 国内サーバー市場ベンダーシェア(出荷金額)

IDC Japanのサーバーリサーチマネージャーの都築裕之氏は「2011年~2012年は、スマートフォンの普及に伴い、ソーシャルやゲームといったコンシューマを対象としたインターネットビジネス向けの出荷が好調だった。しかし、2012年後半からは、インターネットビジネス向けの大口案件の規模縮小が顕著に表れており、サーバーインフラ増設に一服感がある。また、サーバー仮想化の普及による出荷台数の減少と、平均単価の上昇傾向が表れている」と述べている。