Analog Devices(ADI)は6月3日、高いダイナミック・レンジが要求される通信・防衛・計測機器などのシステムを容易に設計できる、RFゲイン・ブロック(RFアンプ)「ADL5544」、「ADL5545」、「ADL5610」、「ADL5611」の4製品を発表した。

4製品は、30MHz~6GHzの周波数で動作し、高い直線性(OIP3およびP1dB)、ゲイン、低ノイズ・フィギュアという相反する特性を、低い消費電力で実現することが可能だ。RFアンプの入出力インピーダンスは内部で50Ωマッチングされており、外付け部品として、カップリング/デカップリング・コンデンサと1個のDCバイアス用インダクタのみでシステムを構築することが可能だ。

具体的には、ADL5544/ADL5545では、固定ゲインは+17.4dB(ADL5544@900MHz)および、+24.1dB(ADL5545@900MHz)で、OIP3は+34.9dBm(ADL5544@900MHz)および+36.4dBm(ADL5545@900MHz)、P1dBは+17.6dBm(ADL5544@900MHz)および+18.1dBm(ADL5545@900MHz)となっているほか、56mA@5Vの静止時電流を実現している。

一方のADL5610/ADL5611は、固定ゲインが+18.4dB(ADL5610@900MHz)および+22.1dB(ADL5611@900MHz)で、OIP3は+38.4dBm(ADL5610@900MHz)および+38.5dBm(ADL5611@900MHz)、P1dBは+20.6dBm(ADL5610@900MHz)および+21.0dBm(ADL5611@900MHz)、ノイズ・フィギュアは2.1dB@900MHzで、90mA@+5Vの静止時電流を実現している。

また、いずれの製品もバイアス回路を内蔵しており、ESDの性能はクラス1C(±1.5kV ESD)となっている。

なお、4製品はすでにサンプル出荷を開始しており、ADL5544/ADL5545は量産出荷も開始している。価格は1000個受注時で1.35ドルとなっている(米国における販売価格)。また、ADL5610/5611は6月からの量産出荷開始予定で、1000個受注時の価格は1.99ドル(同)となっている。