日本マイクロソフト(以下、日本MS)は、5月24日に政府の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)が発表した「世界最先端IT国家創造」宣言(案)を受け、政府のICT戦略を支援する日本マイクロソフトのパブリックセクター向け事業強化の第一弾として、6月3日より、社内に「公共イノベーション推進室」を新設、支援プログラム「公共イノベーションプログラム」の提供を開始すると発表した。
新設した「公共イノベーション推進室」は、行政・医療分野において、ICTの利活用で住民サービスを向上し、地域経済の活性化や災害に強い自治体づくりを検討されている公共機関向けにイノベーション推進を支援する専任部隊。同室の役割は、「公共イノベーションプログラム」の開発・推進、海外先進事例の紹介・実証実験や先進的な取り組みの支援、定期的な情報共有・情報交換会の実施、「ブートキャンプ」の開催。
同社は、政府の「目指すべき社会・姿」の実現に向けた取り組みを支援するため、公共イノベーション推進室を中心に、公共イノベーションプログラム「災害に強い自治体づくりの支援」、「オープンデータ・ビッグデータ活用推進プログラム」、「ガバメント2.0 ソリューション検証プログラム」を提供する。
災害に強い自治体づくりの支援では、地震や津波などの大規模な災害が発生した際に、自治体の行政基盤と情報発信力の確保を支援するため、都道府県や政令指定都市などの自治体との事前の協力協定を日本で開始した。5月21日にはその第1弾として世界で初めて、岡山県との「災害時に関する協定」締結を発表したが、今後他の自治体との同様の協定締結を加速していくという。同社では、今後1年間に10自治体との協定締結を目標にしている。
災害時の協力協定とは、マイクロソフトが全世界で提供している災害対応プログラム「Disaster Response Program」に基づき、事前に自治体、公共機関と協定を結び、災害発生時の支援を行うもの。
オープンデータ・ビッグデータ活用推進プログラムでは、公共機関が保有するデータを二次利用できる形にした「オープンデータ」や、ソーシャルネットワーク上の書き込みなどの「ビッグデータ」を活用して新たな公共サービスやビジネスの創出を目指す公共機関を支援するサービスを提供する。このプログラムを通じて、オープンデータ・ビッグデータを活用した新事業の創出やオープンイノベーションへの取り組みを国内の公共機関と連携して推進し、今後1年間に10自治体に本プログラムを活用したもらうことを目標にしている。
具体的には、Windows Azureを活用して、オープンデータを利用しやすい形でWebサイトで紹介するカタログ「オープンデータ カタログ」を構築するための技術支援や、Excelを利用してビッグデータを分析・可視化しやすくするためのツールの開発・提供、オープンデータを活用したアイデアソン、ハッカソンやアプリケーション コンテストなどのイベント開催の支援を行う。
そして、ガバメント2.0ソリューション検証プログラムでは、自治体と住民の協働をICTの活用で実現する新たな仕組みを、マイクロソフトが海外で実現した事例をもとにガバメント2.0のシナリオとして提案し、プロトタイプを作成、検証を支援する。