キヤノンと京都文化協会は21日、両者が共同で取り組んでいる「綴プロジェクト(正式名称:文化財未来継承プロジェクト)」の第6期3作品目として、天球院 方丈障壁画8面の高精細複製品を同寺へ寄贈すると発表した。

狩野山楽・山雪筆「竹に虎図襖」

「綴プロジェクト」は、オリジナル文化財の保存と高精細複製品の活用を目的として、京都文化協会が主催し、キヤノンが共催して推進している社会貢献活動。2007年のスタート以降、同社のデジタル技術と京都伝統工芸の匠の技との融合により、屏風や襖絵、絵巻物といった重要な文化財の高精細な複製品が制作され、これまでに全27作品が寄贈されているという。

第6期3作品目としては、臨済宗妙心寺派 天球院の「方丈障壁画」のうち金地着色襖(全56面)の複製品制作が決定しており、今回その最初の作品として、狩野山楽・山雪筆の「竹に虎図襖」4面と「籬に草花図襖のうち朝顔図襖」4面の高精細複製品が天球院に寄贈される。寄贈後、オリジナル文化財は京都国立博物館に寄託され、良好な環境下で保管されることになるという。

これにより通常は文化財保護などの理由から非公開となっている同寺が、2013年以降は毎年2回、各2週間の期間限定で一般公開されることになった。天球院の一般公開は平成16年以来初めて。なお、5月25日からの一般公開期間中は、本プロジェクトで制作された8面の高精細複製品と、複製品の制作が予定されているオリジナル文化財の両方を鑑賞することができるという。

公開概要

名称 臨済宗妙心寺派 天球院 2013年の1回目の特別公開
公開期間 2013年5月25日~6月9日 10:00~15:00(入門は14:30まで)
場所 臨済宗妙心寺派 天球院
京都市右京区花園妙心寺町46

「綴プロジェクト」の制作プロセス