アドビ システムズは7日、都内で行った「Adobe Create Now MAX 2013速報イベント」にて、Creative Cloudのメジャーアップデートに伴い、 これまで以上に様々な優待条件が設定された「Adobe Creative Cloud」の価格に関して発表を行った。

アドビ システムズの今後の開発方針。既存のリリースならびに購入方法が刷新され、Creative Cloudを経由した月額課金によるアプリケーション提供が主流となった

同社は、米・ロサンゼルスで開催したカンファレンス「Adobe MAX 2013」にて、これまで「Creative Suite」製品群として提供してきたPhotoshopなど各種製品の新バージョンを、今後は「CC」というブランド名称でリリースしていくと発表した。「CC」は「Creative Cloud」の略称で、すべてのアプリケーションを「Creative Cloud」経由で提供していくということを表している。ユーザー側から見れば、従来は「CS●」製品(同社は「永続ライセンス版」と呼んでいる)を購入して使用するという形だったのが、「CC」になってからはサブスクリプション(月額課金)による購入のみとなる。

メインの購入方法はサブスクリプション制となったが、引き続きCS製品を使用したいユーザーに向けて、現行の最新版となる「CS6」製品群の販売が継続される。店頭でのパッケージ販売は在庫がなくなり次第終了となるが、ソフトウェアダウンロード形式での販売は引き続き行われ、企業向けのTLP/CLPライセンスの提供も続行されるとのことだ。

単体サブスクリプションにもCS3以降ユーザー向けに優待価格が登場

個人版の価格表

正規販売店での販売体系。個別製品ではPhotoshop、Illustratorの2製品が販売される

個人ユーザーの購入方法は、すべてのアプリケーションや機能を使える「Creative Cloud 個人版」、Photoshopなど個別製品の「Creative Cloud 単体サブスクリプション」、教育機関向けの「Creative Cloud 学生・教職員向け」の3パターンだ。

これまでも、CS3以降のユーザーに対しては「Creative Cloud 個人版」の年間プランが月額3,000円(初年度のみ)になる特別提供版が用意されていた。今回はそれに加え、「Creative Cloud 単体サブスクリプション」の特別提供版が登場。PhotoshopやIllustratorなどを個別に使いたいユーザーは、年間プランを月額1,000円(初年度のみ)で利用できる。単体サブスクリプションの特別提供版は期間限定で、締切は2013年7月31日までとなっている。

また、CS6ユーザーを対象に、年間プランが月額2,200円(初年度のみ)となる特別提供版が新たに提示された。こちらの優待価格は申し込み期限が2013年7月31日まで。そのほか、「Creative Cloud 学生・教職員向け」に関しても、6月25日までの期間限定の特別提供版として、年間プランが月額3,000円という価格が提示されている。

グループ版の価格表

中小企業向けの「Creative Cloud グループ版」に関しても、CS3以降のユーザー向けに新たな特別提供版が登場。8月31日までに申し込むことで、年間プランが月額4,000円(初年度のみ)となる。これまでもグループ版に関しては特別提供版が用意されており、優待価格が初年度のみ月額5,000円となっていた。今後、特別提供版に関しては各アカウントごとに月額4,000円が適用されるが、この発表以前に申し込んだ特別提供版の適用アカウントは、月額5,000円で据え置き。新規申し込みアカウントから新価格が適用される。

なお、「エンタープライズ版」は、企業が各々の事情にあわせてカスタマイズしたCreative Cloudの全機能を利用できるもので、契約方法が個人・グループ版と異なる。企業ごとの事情に合わせて、例えばAdobe IDの利用回避やオフラインでの利用など、適宜カスタマイズを行う。そのため、価格などは公開されていない。