ANAは3月28日、国内・海外のすべての就航拠点におけるライン整備部門にiPadを配備することを決定したと発表した。2013年4月を目処に、機体の点検・整備業務にiPadの導入を開始する。

これにより、従来は整備作業に携行していた紙製マニュアルが電子化されるとともに、ライン整備士とバックオフィスとの連携が強化されることにより、機体点検・整備作業の一層の品質強化が実現するという。

同社ではこれまで、客室乗務員6,000台に続き、運航乗務員にもiPadを配布し、iPadの活用を進めてきた。今回のライン整備への導入はこれに続くもの。

従来、ライン整備士が機体の点検・整備を行うにあたって、バックオフィスの支援を仰ぐ際の連絡・情報伝達手段としては無線や携帯電話を活用していたが、今回新たにiPadを活用することで、これまでの音声に加えて、画像情報や作業に必要な文書情報等の送受信も行えるようにする。

ライン整備士とバックオフィスとの連携強化

マニュアルの電子化では、整備士が点検・整備作業に携行している約900冊を電子化。これにより、毎月約27,000ページに及ぶ差換え作業が効率化され、マニュアルの最新性を保つことが可能になるという。当面は、紙との並行利用期間を設けるが、一程度の慣熟期間を経た上で、紙製マニュアルは廃止するという。

整備携行マニュアル管理の業務改革