STMicroelectronicsとオーディオ・システム技術のイノベータで、High-Definition-Personal-Audio(HD-PA)規格を考案しているスイスSoundchipは、HD-PAオーディオエンジン「STANC0/STANC1」およびHD-PAマイクロフォン「MP34AB01H」を発表した。

各種ヘッドセット(オーバーイヤー型/オンイヤー型/インイヤー型)のサウンド性能を調整するために設計されたHD-PAオーディオエンジンである「STANC0/STANC1」は、ステレオならびにモノラルアプリケーションに対応しており、ハイブリッド型アナログデジタルアーキテクチャを採用し、100dBのダイナミックレンジを持つサウンド処理を遅延時間ゼロを実現する「Soundcore R3」を搭載している。

また、高性能かつデジタル設定可能なフィードバックおよびフィードフォワードのアクティブノイズ除去(ANC)処理により、不要な環境騒音の除去を可能にするとともに、両耳の環境をデジタル制御によりモニタリングすることで、ヘッドホン装着時でも未装着時のような自然で快適なリスニング感やこもりのないスピーチ感を実現することが可能だという。

さらに、ノイズキャンセリング用オペアンプの周囲に何百もの受動部品を実装することでアクティブノイズキャンセリングフィルタを構成する競合製品と異なり、これらのフィルタを内蔵している。フィルタおよびデバイス設定は、電子的にプログラム化され、接続先アコースティック機器の性能を最適化することができる。もしくは、補完的なDSP(およびDSP搭載マイコン)を用いてリアルタイムに設定することで、自動アクティブノイズ除去やよりリアルなサウンド向上などの機能を搭載した。

なお、パッケージは両品種とも4.5mm角の小型LF-BGA。単4電池1本またはホスト供給電源で駆動し、有線・無線のアフターマーケットやインボックスのオーディオ・アクセサリに適している。

一方、「MP34AB01」は、パッケージ底面に音響孔を設けたHD-PA対応の小型MEMSマイクロフォン(アナログ出力、3.76mm×2.95mm)で、STのHD-PAオーディオエンジンと組み合わせて使用するために設計されている。フラットなオーディオレスポンス(20Hz~20kHz)、市場をリードする66dBのS/N比、遅延の無い出力、表面実装を特徴としており、「STANC0/STANC1」との併用に最適なMEMSマイクとなっている。耳内部および周囲の音を正確かつ確実に測定することで、フィードバックおよびフィードフォワードのアクティブノイズキャンセリングを効果的に実現する。

HD-PA製品は、Soundstationの包括的なコンピュータ支援設計・製造ツールによりサポートされている。これらのツールは製品開発を簡略化し、製造信頼性を向上するという。

HD-PAマイクロフォン「MP34AB01H」