計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは2月6日、次世代ガスクロマトグラフ(GC)「7890B」およびガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MSD)「5977A(シングル四重極型質量選択検出器)」を発表した。
7890Bは、検出器の改善による性能向上を実現したほか、電力管理やガス管理機能、スリープ/ウェークモードにより、低運用コストと環境への配慮を実現している。
また、分かりやすいパーツファインダ機能と消耗品データベースを搭載したことで、必要な消耗品や部品類を簡単に検索することが可能なほか、統合されたGCカリキュレータやウィザードにより、測定メソッドの作成を容易に行うことが可能となっている。
さらにアーリーメンテナンスフィードバック(EMF)機能により、日常的なメンテナンス作業を計画し、不要なダウンタイムを短縮することが可能なほか、新開発の「高速ベント機能」により、質量分析装置(MS)のメンテナンスによるダウンタイムを削減することが可能。加えて、独自の不活性化技術「Inert Flow Path(不活性サンプル流路)」により、特に微量レベルで高い感度、精度、および再現性を実現する信頼性の高い不活性のGC流路を保証している。
このInert Flow Pathソリューションは、高感度、高確度、高再現性を実現するため、サンプル流路を不活性化するソリューションで、食品、環境、法医学などの領域で微量の活性化合物を分析するユーザー向けに最適だと同社では説明する。使用される部品は、ロットごとに、クロマトグラフによる品質管理試験が実施されており、流路全体にわたって、高信頼で継続的に不活性化を実現できていることを確認しており、これにより、安心して微量分析を行うことができるという。
一方の5977Aは、GC部では7890B の利点はすべて生かせるほか、イオンを効率的にMS部に誘導できるよう、新設計のイオン源を採用したことで、実使用レベルの現実的な性能を示す新指標「IDL(機器検出限界)」により、市場最高クラスの感度を実現したという。
また、軽量のガスに最適化したターボポンプ「TwisTorr 304 FS」を採用することで効率性、堅牢性を高めたほか、同社のソフトウェア「MassHunter Workstation Software」で制御することで、直観的に機器制御を行えるほか、定性・定量データ解析・レポートなどを作成することが可能だ。さらに、質量選択検出器向けのMassHunterでは、フル機能版の「MSD ChemStation」も搭載しているため、既存システムとの互換性を図ることもできるという。