京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は1月28日、研究開発を行っている、総務省 情報通信ネットワークにおける耐災害性強化のための研究開発である「災害時におけるケーブルテレビ応急復旧システム(幹線応急復旧用無線伝送装置)の研究開発」について、この度、その有効性を検証するとともに実用化を目指し、2013年2月から宮城県気仙沼市で実証実験を実施すると発表した。
同研究開発は、ケーブルテレビの幹線伝送路設備(同軸、または光)が被災し、復旧に時間を要する場合に、無線を用いて伝送路を応急復旧するための伝送装置の研究開発を行うというもの。
実証実験では、宮城県気仙沼市で、海上伝搬を含む1.4kmの無線伝送路を構築し、23GHz帯の周波数でデジタルケーブルテレビ信号(伝送するデジタルケーブルテレビ信号は、気仙沼ケーブルネットワークより提供される)を無線伝送し、装置の安定性をはじめ、無線伝送品質や降雨による無線伝送特性の評価を行う予定。また、ケーブルテレビ事業者に、無線装置の設置性や使い勝手についてアンケートを実施する。
さらに、同社では、総務省から「災害時におけるケーブルテレビ応急復旧システム(可搬型緊急用ヘッドエンド)の研究開発」を受託し、研究開発を行っているDXアンテナと共同で、1月31日に宮城県気仙沼市にて公開実験を実施する。災害時に対応する先進的な応急復旧システムについて理解を深めてもらうことを目的として、実験の概要や設備の見学会などのほか、両システムを連携させたデモンストレーションを行う予定。