米Facebookは1月15日(現地時間)、本社 (米カリフォルニア州メンロパーク)でプレスイベントを開催し、新しいソーシャル検索機能「Graph Search」を発表した。Facebook上のソーシャルグラフ・マップに基づいたユニークな検索結果を提供する。現時点で対応言語は英語のみ。すでに小規模なベータ提供が始まっており、順次規模を拡大していく計画だ。ベータ参加希望者はGraph SearchのWebページで待機リストに登録する。

Webをインデックス化してキーワード検索の対象にしたものがWeb検索なら、Graph SearchはFacebookユーザーの相関関係を現すソーシャルグラフ・マップをインデックス化したものになる。現在Facebookのアクティブユーザーは10億人以上。「いいね」を含むユーザー同士の様々な結びつきは1兆を超え、2400億枚以上の写真が存在する。例えば、Graph Searchで「my friends in New York who like Jay-Z (Jay-Zが好きなニューヨーク在住の友達)」や「photos of my friends before 1990 (1990年以前の友達の写真)」と検索すると、検索条件に当てはまる友達や写真が結果に表示される。自分と関わりのある情報を正確に引き出せるのがGraph Searchの特長であり、これらをWeb検索で検索キーワードを使って引き出すのは難しい。

Graph Searchの検索ボックスは従来よりも大きく、色は青。検索結果ページはタイトルや表示をカスタマイズして共有可能

「自分と同じことが好きな人」と検索

Graph Searchの第1段階の検索対象は「People (人、例:近くに住むスキー好き)」「Photos (写真、例:友達がニューヨークで撮影した写真)」「Places (場所・店など、例:サンフランシスコのレストラン)」「Interests (興味・趣味など、例:CEOが読んでいる本)」の4つ。検索結果に表示される情報は、各ユーザーのプライバシー設定に基づいたものになる。情報を共有していない人に、Graph Searchを通じて個人情報やコンテンツが伝わることはない。またFacebookが提携するMicrosoftの検索サービスBingが統合されており、Graph Search検索からBingのWeb検索結果にアクセスすることも可能だ。

Graph Searchの対象外になる検索語はMicrosoftのBingで検索

Graph Searchが有用に機能するようになれば、広告やEコマース、求人・求職、コンテンツサービスと広範に活用できるものになりそうだ。ソーシャル検索プラットフォームとしての可能性にも話題が広がっているが、プレスイベントにおいてFacebook CEOのMark Zuckerberg氏はGraph Searchのビジネスモデルに言及せず、現段階では検索の質を高めることに注力すると述べた。