Integrated Device Technology(IDT)は、マルチキャリアの広帯域無線アプリケーション向けに、JESD204Bを備えた低消費電力のデュアル16ビット・デジタル/アナログ変換器(DAC)「DAC165xD1G5HN」を発表した。

同製品は、10GbpsのJESD204Bシリアルインタフェースと、×2、×4、×8の補間フィルタを備えた16ビット、1.5Gサンプル/秒のデュアルDACで、マルチキャリア広帯域無線の主なプラットフォームの顧客要求やそれに派生する要求をすべて満たすために最適化されている。

最大動作速度における1チャネル当たりの消費電力は400mWで、低発熱による筐体の高密度化やシステムレベルの冷却要求を低減することが可能だ。また、JESD204Bインタフェースにより、プリント回路基板の配線を簡素化でき、4つのJESD204B高速差動レーンで、従来のインタフェースで一般的だった32本の整合した差動レーン・ペアを置き換えることが可能となっている。

さらにMDS(multi-device-synchronization)を介してビームフォーミングをサポートするために、高調波クロッキングと確定的なレイテンシを備えており、これにより、複数のDACの出力ストリームを、システムレベルでの整合のために、サンプル・レベルで同期し、位相コヒーレントにすることが可能となったほか、LMDS/MMDS、ポイント・ツー・ポイントのマイクロ波バックホール、ダイレクト・デジタル合成(DDS)装置、高精細ビデオ放送プロダクション装置、自動試験装置(ATE)に基づいた通信システムなどのアプリケーションにも適用可能となったという。

なお、同製品はすでに特定顧客向けに8mm×8mm 56ピンHVQFNでサンプル出荷を開始しているという。

デュアル16ビットDAC「DAC165xD1G5HN」