Texas Instruments(TI)は、モバイル機器用ワイヤレス充電向け製品として、電磁誘導による非接触型充電機能を1チップ化したワイヤレスパワーレシーバIC「bq51050B」と、充電エリアを400%拡大させたトランスミッタIC「bq500410A」を発表した。
「bq51050B」は、WPC1.1 Qi標準規格に準拠する電池充電回路内蔵ワイヤレスパワーレシーバで、スマートフォンやワイヤレスキーパッド、その他のポータブル機器に、高速で、より高効率の充電機能を提供する。また、整流、電圧コンディショニング、通信制御およびリチウムイオン電池の充電機能を1チップの小型ICに集積したユニークな20Vレシーバで、個別の電池充電回路が不要。インダクタフリーのシングルステージ設計によって、複数ステージによる実装に比べて、基板実装面積を最大60%縮小できるという。
一方の「bq500410A」は、WPC 1.1規格対応のワイヤレスパワー伝送コントローラで、Qi標準規格に準拠するスマートフォン、その他のポータブル機器を、現行の18mm角の充電エリアと比較して400%拡大、70mm×20mmの充電エリアで充電可能にする。70%を超える効率を実現する他、渦電流を発生する金属および異物のユニークな検出機能を内蔵、トランスミッタとレシーバの近くに金属を検出した場合、システムを安全に保護し、電力供給を停止する。
なお、パッケージは、「bq51050B」が1.9mm×3.0mmのWCSP、または4.5mm×3.5mmのQFN、「bq500410A」が7mm角の48ピンQFN。価格は1000個受注時で「bq51050B」が2.75ドル、「bq500410A」が3.18ドル。ワイヤレスパワーレシーバICでは、充電電圧が4.35Vの「bq51051B」も供給中。TIでは、Qi規格に準拠した機器をサポートするソリューションを提供しており、今後も製品ラインアップを拡充していく方針。