三井化学、三井物産、シーテック、東亞合成、東芝、東レおよび三井造船の7社は、愛知県田原市における国内最大規模の太陽光・風力発電所の建設に関して、2011年10月の基本合意に基づき事業化検討を進め、2012年9月に建設に関する正式契約を締結、11月7日、建設工事に着手し、起工式を執り行ったと発表した。

同事業は、太陽光・風力発電に関する技術、製品、事業運営等に知見・実績を有する7社が共同で国内最大規模の太陽光発電事業(メガソーラー)および風力発電事業を行うもの。太陽光および風力発電合計の発電量は、約67,500MWh/年、これは田原市総世帯の約9割に当たる約19,000世帯の使用電力量に相当する。また、二酸化炭素削減量は約32,000t CO2/年で、約230万本の杉の木の二酸化炭素吸収量に相当する。

今後、日本では、再生可能エネルギーの推進に向け、数多くのメガソーラー、風力発電の事業展開が想定されるが、発電システムや電力変換機器などについて、さらなる技術開発やコスト引下げ努力が必要となる。参加各社は、同事業を長期間運営する過程で生じる様々なノウハウや課題情報を共有するとともに、それぞれの知見を活かして課題解決に取り組み、再生可能エネルギーの推進に寄与する。また、参加各社は、中部電力と技術的な協力関係を維持し、国内最大級のメガソーラーならではの新たな技術的知見の習得を進めていくとしている。

事業の概要は次のとおり。

事業名称 たはらソーラー・ウインド共同事業
運営方法 トランスバリュー信託株式会社に運営委託する信託事業方式
事業参加者および金銭信託比率 三井化学35%、三井物産15%、シーテック10%、東亞合成10%、東芝10%、東レ10%、三井造船10%
発電能力 太陽光50MW(モジュール出力。パワーコンディショナー出力は35MW)、風力6MW
設置場所 愛知県田原市緑が浜(三井化学所有地約80万m2、東京ドーム約17個分)
総投資額 約180億円
工期 着工 2012年11月、運転開始予定 2014年10月
事業期間 運転開始から20年間

今回の建設地は、日照時間・平均風速ともに国内最高水準であり、太陽光・風力ともに高効率での発電が期待できる恵まれた立地で、同プロジェクトは、愛知県および田原市の新エネルギー推進施策に合致しており、愛知県から「新あいち創造研究開発補助金」を、田原市から「企業立地奨励金」の補助を得るなど、県・市当局からも支援されている。

「たはらソーラー・ウインド共同事業」建設位置