WHILLは10月8日、電動パーソナルモビリティ「WHILL type A」(画像1)を開発し、2012年12月より100台限定で受注販売の先行受付を開始することを発表した。

画像1。WHILL type A。電動車いすやシニアカーとしても扱えるため、一般道でも走ることが可能

WHILL type Aは従来の電動車いすやシニアカーの要件を満たしながら(つまり一般道を走れる)、性能・魅力のさらなる向上を目指して開発されたパーソナルモビリティだ。車いすの利用者や歩行が困難な高齢者が、約3km圏内を快適にスタイリッシュに移動することを目的に開発されたという。

利用シーンに合わせて乗り方を変えられるのが特長で、電動車いすやシニアカー的に座って乗る形の「ドライビングスタイル(画像2)」、イスを取り外して立ち乗りで運転することで荷物を運びやすい「ショッピングスタイル」(画像3)、もう1人が後部デッキに立つ形での2人乗りの「ツーリングスタイル」(画像4)が用意されている。

画像2。ドライビングスタイル

画像3。ショッピングスタイル

画像4。ツーリングスタイル

1回の充電での航続距離は20kmまで、もしくはおおよそ2時間(速度の出し方などによる)。よって、近所のスーパーなどでの買い物などは余裕だし、公園などの散歩も問題ないというわけだ。

最高時速は12km/hまで出すことが可能(ただし、道交法上一般道では時速6km/hまで)。サイズは、全長1050mm×全幅650mm×全高900mm(ドライブモード時)。重量は35kgとなっている。

ドライブモードやツーリングモードでは運転者の前方に位置する安全バーのように見えるものがハンドルで、力覚センサを搭載しているので、行きたい方向に傾けるだけで運転することが可能だ(画像5)。乗降時はハンドルを中央付近で分割させられ、片側だけを上に上げて乗降できるようになっている。

画像5。前方のオープン回転バーの中央部分がハンドルとなる。行きたい方向に傾けるだけで移動できる、直感型のインタフェースを採用

画像6。前方のオープン回転バー(ハンドル)の片側だけを上げて乗り降りできる

WHILL type Aは3輪車で、駆動輪は大きい2輪。それぞれ独立して駆動するので、その場での旋回(超信地旋回)が可能だ。また、タイヤは全方位タイヤとなっており、タイヤ径の方向には普通にタイヤのように転がり(前後進)、左右方向への平行移動はタイヤに取り付けられた24個の小型ローラーが回転することで行えるようになっている(画像7)。

画像7。左右方向への平行移動はタイヤに取り付けられた24個の小型ローラーが回転することで行える

予価は52万5000円。冒頭で述べたように限定100台を受注生産で今冬に発売する予定で、12月より先行受付を開始する。カラーリングは、決定ではないようだが、白を基調にアクセントとして黄、緑、水色、白、赤、青、グレーの7色と、全体的に黒でまとめられた8色がWebサイト上にてCGサンプルとして公開されている。