日清製粉グループの日清ファルマは、静岡県立大学寄附講座との共同研究で、青大豆の熱水抽出物の持つアレルギー緩和作用のメカニズムを明らかにしたと発表。発表そのものは、8月29日から31日まで札幌市で開催された「第59回 日本食品科学工学会」にて行われた。

青大豆の熱水抽出物のアレルギー緩和作用については、第64回 日本栄養・食糧学会大会および第61回 日本アレルギー学会秋季学術大会にて研究報告がなされており、その効用がわかってきている。

今回の研究では、青大豆の熱水抽出物が免疫反応に関わる物質の1つである「細胞活性化因子」(対象となる細胞、つまり今回の場合はB細胞の働きを活性化させる信号となるタンパク質)を減少させ、その結果「B細胞」の活動を低下させることでアレルギーの原因となる過剰な免疫反応を緩和する、という作用メカニズムを、新たに遺伝子レベルで確認した次第だ。

なおB細胞とは、生体内で外部からの異物を排除するリンパ球の1種で、体内に侵入した異物(抗原)と結合して、その異物を除去するためのタンパク質(抗体)を作り出す。細胞活性化因子の信号で働きが強くなるという仕組みを持つ。

これまでによく知られているアレルギー緩和作用のある食品は、腸内環境に働きかけて免疫バランス(「Th1/Th2バランス」)を調整する、「ヒスタミン」などアレルギー症状の原因となる物質の放出を抑制する、などの作用メカニズムであるのに対して、今回の熱水抽出物の場合はそれらと異なるのが特徴。アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー症状を緩和する食品への応用が期待されるという。