検体検査機器・体外診断用医薬品メーカーのアークレイは、薬剤代謝に関係する遺伝子の塩基配列やがんなどの遺伝子変異を全自動で解析する遺伝子解析装置「i-densy IS-5320」を8月28日から発売を開始したことを発表した(画像1)。販売は、関連会社のアークレイ マーケティングが行う。

画像1 医療機関向けの全自動遺伝子解析装置i-densy IS-5320

現在、個人の遺伝子型を判定することにより、各自の病状や体質に合わせた薬剤の選択・投与量の推定を通じて最適な治療を実現する「テーラーメイド医療」の研究が進んでいる。しかし、このような投薬前診断を行うための遺伝子検査は、これまでは煩雑で高度な操作技能を必要とし、結果が得られるまでに長い時間がかかってしまうのが問題だった。

同社は、2009年に薬剤代謝に関係する遺伝子の塩基配列やがんなどの遺伝子変異を全自動で解析する、卓上サイズの全自動SNPs(一塩基多型)解析装置「i-densy IS-5310」を研究用として発売。今回のIS-5320は、そのIS-5310に改良を施し、医療機器としたことがポイントだ。

また同社では、IS-5320の開発と同時に体外診断用医薬品の開発も行っている。IS-5320と、その現在開発中の試薬を組み合わせて使用することで、簡便な塩基配列の解析が可能となり、投薬の効果予測や補助診断を実現できる計画だ。これにより、医療現場での迅速な治療方針の決定や患者様の副作用軽減、医療費の削減などに寄与することが期待できるとしている。

IS-5320の特長は、1つ目が高度な操作技術を必要としない「全自動測定」であること。検体(血液や口腔スワブなど)を入れた試薬パックを装置にセットし、スタートキーを押すだけで、簡便に測定を行うことが可能だ。「検体からのDNA抽出」→「遺伝子増幅」→「遺伝子型判定」までをIS-53201台で全自動化で行えるのである(画像2)。

画像2 操作方法。検体(血液や口腔スワブなど)を入れた試薬パックを装置にセットし、スタートキーを押すだけで簡単に遺伝子解析が可能

2つ目の特長は、「高速測定」検体の採取から結果出力まで、数日を要した遺伝子型判定が約80分で可能。後日また来院するといった手間をかけず、数時間待つことで患者に伝えることが可能だ。

なお、IS-5320のスペックの概要は以下のとおり。

i-densy IS-5320のスペック

  • 名称:遺伝子解析装置 i-densy IS-5320
  • 発売日:2012年8月28日(火)
  • 測定対象:全血などの生体試料、精製核酸
  • 測定原理:核酸増幅法+Tm解析法(日鉄環境エンジニアリングが特許実施権を有する「QP(Quenching Probe)法」を採用)
  • 処理速度:80分/1試薬パック(測定項目により異なる)
  • 必要検体量:全血などの生体試料70μl以上、精製核酸4μl
  • 検体架設量:1~2検体
  • メモリ:100測定/1ユーザ(最大25ユーザ登録可能)
  • 電源:AC100、300VA以下
  • 外形寸法:410mm(幅)×450mm(奥行)×415mm(高さ)
  • 重量:27kg
  • 医療機器届出番号:25B1X00001000018
  • クラス分類:クラスI(一般医療機器)/特定保守管理医療機器