ニールセンはこのほど、ソーシャルメディア分析サービス「BuzzMetrics」のデータから 、2012年6月に発表されたタブレット端末/電子書籍リーダー端末の4機種に関する口コミについて発表した。
対象機種は、Microsoft Surface, Amazon Kindle, Google Nexus 7, 楽天koboの4機種で、ソーシャルメディア上で口コミ数が5,000件を超えた機種を対象とした。
同社によると、6月1日から7月10日の期間中口コミ数が一番多かったのはKindleだった。Kindleは電子書籍リーダー端末としてすでに米国で販売されているが、6月26日に日本で近日発売するという予告報道を受け、1日で4,000件近く書き込みが発生した。同社では、すでに存在している端末の名称であるため、発表日以前の書き込みもあり、期間合計で一番多い口コミ数となったとしている。
電子書籍リーダー端末では、楽天が2011年に買収したカナダkoboの端末「kobo Touch」と、同社が運営する電子書籍サービスを7月19日から国内展開する発表を受け、1,500件程度の口コミが発生した。同時に端末の予約も開始され、楽天人気ランキングにランクインするなど、話題が継続して発生しており、1日に平均して500件程度の書き込みが持続していることが特徴となった。
Nexus 7は米Googleが販売する7インチのタブレット端末で、台湾のASUSからのOEM提供端末を自社ブランドとして発売、199ドルと価格が安いことが特徴となっている。マイクロソフトのSurfaceは同社がハードまで管理し販売する初めてのタブレット端末で、キーボードとWindowsを搭載することが特徴的。共に国内販売の見込みが発表されていないことから、口コミ数は発表時に一時的に盛り上がり、その後2、3日程度で終息するという推移となった。
「買った、予約した」という購買行動、もしくは「欲しい、買いたい」という購入意欲を表す言葉が共に書かれている割合については、未発売の商品であり発表直後のBuzzを調査対象としたため、ニュース記事への反応が多く、購買意欲が書かれている口コミの割合は5%以下と低かった。また、電子書籍リーダー端末とタブレット端末では、購買意欲が書かれた口コミ比率に2倍近い差が見られ、消費者のタブレット端末への期待が高いことが窺える。
購入意欲が書かれた記事を分析し、「欲しい、買いたい」と思った時に何を意識しているのかについて端末ごとに分析したところ、結果として、iPad, Surfaceはハード、Nexusは価格、電子書籍リーダーは価格とコンテンツの割合が高いことがわかった。Surfaceはハード面(特にキーボード)の評価が高く、カラフルなボディに関しての口コミも見られたほか、Windows 8に関する口コミも多かった(ここでは、比較のため、すでに発売されているiPadを対象に追加)。
購入意欲のある口コミからどの端末を想起しているのかを探るため、購入意欲と同じ文脈で書かれた他の端末の口コミ数を調査したところ、どの端末もiPadの想起率が高く、タブレット、電子書籍リーダー端末市場はiPad中心に語られていることがわかった。Kindleは電子書籍リーダー端末以外ではNexus 7と多く語られ3.7%、SurfaceはUltrabookと語られる割合(1.8%)が他の端末より高いことがわかった(ここでは、iPadおよびタブレットと比較されることが多いUltrabookを対象に追加)。