計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは6月19日、モバイル機器用インタフェース向けに次世代型MIPI D-PHYエクセサイザ/アナライザ「Agilent U4421A MIPI D-PHYプロトコル・テスト・モジュール」を発表した。
携帯機器に搭載される高解像度カメラやディスプレイの数が増加してきているほか、3D技術の採用も進むことで、広帯域の需要が増大してきており、D-PHY仕様で定める4レーン、1.5Gbpsオプション採用の動きも拡大することが見込まれるようになってきた。こうしたニーズに対し、同製品は、既存製品比で2~5桁多い、最大16GBのデータ解析用/データ印加用メモリを提供することで、高解像度のトラフィックでも長時間にわたるデータ解析やデータ印加を可能とした。
また、プロトコルよりも低レイヤでデータを観測できる「RAWモード」を実装。これにより波形やリストの形で表現されるRAWデータのまま観測できるようになるため、パケットが正しく解釈されなかった理由を詳細に解析することが可能になるという。さらにイメージ挿入・抽出ソフトウェアも提供しており、これによりエンド・トゥ・エンドの画像解析を簡素化することが可能となる。
これらの機能などを活用することで、開発中のシステムに送信されているトラフィックの検証用として利用することも可能となる。例えば、D-PHYエクセサイザ・オプションにより、周辺のコンポーネントが完成する前でも設計中の機器の評価が可能となる。これによりレーン・スキュー、信号電圧やスキュー・レート、データ・レート、プロトコルのタイミングなどの条件を変更することができるので、さまざま条件を想定した試験を実施することができ、低消費電力かつ堅牢なシステムの設計につながると同社では説明している。
同製品は、AXIeモジュールを採用しており、複数のバスを同時に解析することが可能なほか、複数のCSI(Camera Serial Interface)バスやDSI(Display Serial Interface)バスについて、PCIe、DDR、HDMI、汎用の高速ロジック・アナライザ・モジュールと時間相関をとることも可能で、エクセサイザ単体やアナライザ単体の構成のほか、両機能を備えた構成も可能となっている。なお、価格はエクセサイザ構成が320万4779円(税別)から、アナライザ構成が370万754円(税別)からとなっており、2012年10月からの出荷開始を予定している。