参加者にも好評な「無料ハンズオンセミナー」を実施

富士ソフトでは、協業の取り組みの一環として、ALMに関心を持つソフトウェア企業の担当者に向け、定期的に無料のセミナーを開催している。

『開発環境・プロジェクト管理最適化セミナー ~Visual Studioで実践するALM~』と題されたこのセミナーは、富士ソフトの秋葉原オフィス7階に設置された「マイクロソフトソリューション&クラウドセンター」で実施されているもので、ソリューション内容の紹介と、実際の製品を使ったハンズオンから構成されている。

1回のセミナーは数名程度の少人数で実施され、参加者の職場での役割や要望に応じて、現在抱えている課題の解決のためにVisual Studioのどのような機能が利用できるのかといった具体的な内容についても、可能な限り相談に乗っているという。1回2時間ほどの内容になるが、参加者からは「時間が短い」との意見もあるそうで、現場でのALMに関する関心の高さがうかがえる。

富士ソフト ソリューション事業本部 MS部 MSソリューション&クラウドグループ リーダーの酒井章次氏

富士ソフト、ソリューション事業本部MS部MSソリューション&クラウドグループリーダーであり、このセミナーの講師も務める酒井章次氏によれば、セミナー参加者のALMに対する意識には、かなりの幅があるという。

「セミナーに参加される方の大半は、ALMの必要性を認識しているものの、その方法論については漠然としたイメージしかないという方です。とはいえ、中にはプロジェクト管理の体系として標準化されているPMBOKや、ビジネスプロセス管理の分野に関して深い問題意識を持ち、Visual Studioのフレームワークの中で何ができるのかといった観点から参加される方もいらっしゃいます。参加人数や各メンバーの業務上の役割にもよりますが、ハンズオンでは、各回の参加者の方がそれぞれに抱えている課題や疑問にお答えできるような内容をお伝えしたいと思っています」(酒井氏)

酒井氏によれば、ハンズオンで特に参加者に評価が高いのは、Visual Studioと、Office製品であるProjectやExcelとの連携機能だという。

「現場では、プロジェクトマネージャーが実際のコーディング作業を兼任で行っているケースも多いのですが、Visual Studio Team Foundation Serverと、Project、Excelとを連携させることで、プロジェクトの進捗管理やバグトラッキング、そのレポーティングといった作業をすべて、コーディング作業と同じIDE上で切り替えて行うことができます。また、設定を行うことで、ルーチンとなる作業をツールをまたいで自動化することも可能です。こうした機能をデモすると、Visual StudioでのALMのメリットを実感してくださるお客様も多いです」(酒井氏)

セミナー会場の様子。手前のテーブルでハンズオンを、奥のプロジェクター画面の前で座学を行う

ハンズオンの様子

製品知識と業務ノウハウを兼ね備えたパートナーとしての利点

こうしたセミナー以外にも、富士ソフトでは企業ユーザーに向けたALM環境構築支援の取り組みを行っている。そのひとつが「開発環境導入計画サービス(DTDPS)」である。

富士ソフトは、ALMコンピテンシー(ゴールド)を取得したパートナーであると同時に、マイクロソフト製品のライセンスの調達および管理を包括的に提供できる「Large Account Reseller(LAR)」でもある。DTDPSは、こうしたパートナースキルと、開発業務に関するノウハウとを組み合わせて、より最適化された開発環境の導入計画を提供するコンサルティングサービスとなっている。このサービスは、ボリュームライセンスをソフトウェアアシュアランス(SA)で導入しているユーザーが取得できるポイントを使って、利用することができる。

ALMコンピテンシー(ゴールド)の認定と、LARの資格を持ち合わせたパートナーは、日本において富士ソフトだけであるという。環境構築計画のコンサルティングから、製品ライセンスの提供までを、ワンストップで提供できるというわけだ。こうしたメリットは、自らも多くの開発プロジェクトを手がけ、製品知識と業務ノウハウのいずれにも長けた同社ならではのものだろう。

現状、Visual StudioによるALMの実践については、マイクロソフトのプラットフォームをメインに開発業務を行っている企業を中心に提案しているが、今後は、.NET開発以外にも対応しているTeam Foundation Serverのメリットを打ち出しつつ、Web開発を中心に行っている企業に対しても、積極的な提案を行っていきたいとする。

「近年、Web向けのサービス開発で急成長している企業も多くあります。そうしたところでは、開発環境や管理の手法がまったく整備されない状態で、規模のほうが先行して拡大してしまっている状況も見受けられます。そうした企業が、スムーズに次のステージに進んでいくための開発業務環境のプラットフォームとして、Team Foundation Serverを提案していきたいと考えています」(酒井氏)

参考サイト

開発環境・プロジェクト管理最適化セミナー ~Visual Studioで実践するALM~
http://www.fsi.co.jp/seminar/ms/alm_seminar.html

開発環境最適化サービス
http://www.fsi.co.jp/MS_Enterprise_Service/optimization.html

開発環境導入計画サービス
http://www.fsi.co.jp/MS_Enterprise_Service/dtdps.html