米Atmelは、消費電力を従来製品に比べて60%削減した2.4GHz帯のRFトランシーバ「AT86RF233」を発表した。同製品はZigBeeやIEEE802.15.4、6LoWPANなどと互換性を持っており、2.4GHz帯におけるISM(Industrial, Scientific and Medical)アプリケーションに利用できると同社は説明する。

同製品がターゲットとしているマーケットは、年単位の電池寿命が要求されるため、低消費電力性が特に重要になるとする。AT86RF233は送信時の消費電力が14mA、受信時の消費電流が6mA、待機時の消費電流は0.02μAに抑えられている。同社はAT86RF233について、同じく同社が提供するAVR MCUやAVR XMEGA MCUと組み合わせることで、低消費電力かつ低価格なソリューションが構築できるとしている。また多くの機能を統合しており、この中はAES暗号化/復号化も含まれている。これにより、部品コストと実装面積を節約できる点もメリットであるとする。

さらに、すでに存在するどの設計とも容易に組み合わせることが可能であるとしており、同社の提供するAtmel Studio 6を利用することでAVR XMEGA MCUのみならずAVRベースのMCUやARM Cortex-MベースのMCUとの組み合わせもサポートされるとする。

なお、同製品はすでに「REB233SMAD-EK評価キット」に同梱される形で出荷されている。このキットにはAVR XMEGA ATxmega256A3 MCUをベースにしたAT86RF233ラジオ評価ボードが2つ含まれている。またAtmelは無償でAT86RF233用のネットワークソフトウェアおよびプログラムサンプルを提供しており、この中にはBitCloud ZigBee ProとBitCloud Public Profile Suiteも含まれている。