富士通は3月8日、診療所向け医事・電子カルテシステム「HOPE/EGMAIN-RX」に、「HumanBridge」を含む地域医療ネットワークを利用して他医療機関との診療情報を相互参照できる機能を追加し、提供を開始したと発表した。

今回の追加機能により、HumanBridgeを含む地域医療ネットワークを利用して、診療所と他医療機関はそれぞれ個別に保持する診療情報を相互参照することができるようになる。

地域連携ネットワークとの接続イメージ図

これにより、患者からカルテ情報公開の同意を得ることにより、診療所で保持されているオーダー、プロファイル、病名、検査結果、薬歴などの情報を、地域医療ネットワークに接続した他の医療機関からの要請に応じて提供でき、患者の診療内容は地域内のどの医療機関からでもすぐに確認できるようになる。そのため、検査や投薬の重複などを避けることができるほか、救急外来などの即時性が求められる診療においても、迅速で的確な医療サービスが可能になる。

さらに、富士通の地域医療連携ネットワーク「HumanBridge」を利用することで、リアルタイムな他医療機関との情報共有ができ、救急外来などで即時性が求められるケースにおいて、より迅速に患者の受診歴を確認することができる。「HOPE/EGMAIN-RX」を「HumanBridge」に接続する際に、接続用の新たなサーバを導入する必要がないため、低コストでシステムを構築できる。

また、地域連携ネットワークへの接続においては厚生労働省から提供されている「医療情報システムの安全に関するガイドライン」に準拠したセキュリティ規準を採用しているため、安全な患者情報の共有が可能となる。さらに、従来、紙で運用している紹介状や補助資料を電子化できるため、診療所一件当たり年間0.5トンのCO2排出量削減を見込んでいる。