足りない部分はクラウドで

以上の環境が揃うだけでもSOHO・中小企業の現場は大きく変わると思うが、さらにもう1つ野中氏が挙げた大きな特徴が「クラウド連携」である。

前述のとおり、Windows SBS 2011 Essentialsでは、他のWindows SBSとは異なり、Exchange ServerやSharePoint Serverなどの業務アプリケーションと呼ばれるものを同梱していない。しかし、Windows SBS 2011 Essentialsに慣れてくると、ユーザーの利便性をさらに高めるためにこのあたりの機能も欲しくなってくると予想される。そのときのことを考えて導入されているのがクラウド連携だ。

クラウド連携において、Windows SBS 2011 Essentialsは同社が提供するクラウドサービス「Office 365」との統合管理が可能となっている。Office 365では、Exchange ServerやSharePoint Serverの代替となるExchange Online、SharePoint Onlineといったサービスが提供されている。

これらのサービスは、「Windows SBS 2011 EssentialsのActive Directory情報と連携して利用することができる。ローカルのユーザー情報とOffice 365 のアカウント情報を統合的に管理し、利用を開始することが可能」(野中氏)。しかも、「クラウドサービスなので、メールサーバの保守などの作業は一切必要ない」(野中氏)。アプリケーションの導入作業やメンテナンス作業をMicrosoft側で肩代わりしてくれるかたちだ。初期コストが不要なうえ、ユーザーが増減しても簡単に対応できるといったメリットもあり、まさにSOHO・中小企業に最適なソリューションと言える。

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以上、本稿では、野中氏の説明を基にWindows SBS 2011 Essentialsの特徴について紹介した。誌面の都合で簡単にしか触れられなかったが、Windows SBS 2011 Essentialsがシンプルで使いやすいうえに、現代の中小企業のビジネスに不可欠な機能を提供するものである点はご理解いただけたかと思う。

実のところ、同製品には、搭載端末が安価に手に入るという、もう1つの大きな特徴がある。企業向けサーバを開発してきたメーカーのみならず、コンシューマー向けPCを提供しているメーカーからも対応端末がリリースされている。こうした状況からもその価格感をご推察いただけるだろう。

日本マイクロソフトのWebサイトに端末の紹介もあるので、興味のある方はせひともご確認いただきたい。