MathWorksは2月14日(米国時間)、「Phased Array System Toolbox」の新版を発表し、MATLABのシステム設計機能を拡張したことを発表した。これによりエンジニアはレーダー、音響、通信のような適用分野における複雑なフェーズドアレイシステムをモデル化、シミュレーション、解析し、システム設計に対する信頼性を高めるためにこれらのツールを活用することが可能になるという。

MATLAB関数やMATLAB System objectとして提供される機能に加え、Phased Array System Toolboxでは波形生成、ビーム形成、到来方向推定、ターゲット検出、および時空間適応処理のための広範なアルゴリズムのライブラリが用意されており、エンジニアがエンドツーエンドフェーズドアレイシステムをモデル化し、個々のアルゴリズムを使用して取得したデータの処理を行うことの支援が可能。

また、ユーザーが独自に定義するフェーズドアレイシステムの実装の開始点となる、MATLABコードの例やデモも用意されており、これらを活用することで、レーダーや音響の分野のエンジニアは、さまざまなアレイ形状でモノスタティック、バイスタティック、およびマルチスタティックのアーキテクチャを構築し、固定または移動プラットフォーム上でモデル化することが可能となる。また、アレイの解析と可視化のツールにより、空間軸、周波数軸、および時間軸での性能評価が可能になるという。

なお、同ツールボックスは17万5000円より提供される。

Phased Array System Toolboxによるレーダースキャンマップの様子