アイティメディアはこのほど、日本・米国・欧州・中国・インドの5地域を対象に実施した「EE Timesエレクトロニクスエンジニア給与/意識調査2011」の結果を発表した。同調査は、世界のエレクトロニクスエンジニアの給与や待遇、仕事に対する満足度・意識の把握を目的としたもの。

実施期間は、日本:2011年10月4日から23日、米国:2011年9月19日から29日、欧州:2011年9月14日から~29日、中国:2011年9月19日から11月7日、インド:2011年9月19日から11月5日で、有効回答数は日本993件、米国2,180件、欧州598件、中国1,274件、インド720件となっている。

日本のエレクトロニクスエンジニアの平均年収は717万円で、2010年の前回調査の700万円から2.4%と僅少ながら増えている。平均年齢は46.9歳で、前年の43.8歳から約3歳上回った。

各地域の平均年収を円換算して比較すると、前年と同じく上位から順に米国(907万円)、日本(717万円)、欧州(578万円)、インド(209万円)、中国(161万円)となった。中国とインドは、平均年齢が先進3地域に比べて11歳から16歳ほど若いうえに平均職務年数も9年から15年ほど短く、平均年収も他地域に比べて低い水準にとどまっている。

現地通貨での平均年収の前年比伸び率は中国が最も高く18.6%、続いて米国(10.3%)、インド(5.8%)、日本(2.4%)、欧州(-3.0%)となった。

各地域の平均年収(円換算) 資料:アイティメディア

各地域の平均年収の伸び率(現地通貨の金額で計算) 資料:アイティメディア

仕事に対する意識や会社などの環境に対する満足度を尋ねたところ、インドでは総じて自己評価が高く、日本と中国は低い結果となっている。他地域と日本の差が特に大きく約20ポイント以上低かった項目は、「私の会社はエンジニアを尊重している」(53%)、「仕事で使っている機器は最新のものである」(42%)、「私の会社は革新性や創造性に力を入れている」(41%)、「私の会社はエンジニアの革新的な成果に報いている」(29%)、「私の会社はマーケット志向である」(54%)の5項目で、会社や仕事環境への不満が強く表れた結果となった。

インドは「満足度」「尊重度」のほぼすべての項目で前年より数ポイント以上改善しており、エンジニアという職業への実利的な見返りや社会的評価が高まっていることがうかがえる。一方で中国は、平均年収が前年比20%近く増えて5地域中最高の伸び率にもかかわらず、満足度や尊重度において5地域で最低の項目がある。

世界のエレクトロニクスエンジニアの仕事や会社に対する満足度などの回答結果一覧 資料:アイティメディア