フィンランドNokiaは1月9日(現地時間)、米国ラスベガスで開催中の「2012 International Consumer Electronics Show(CES)」で、米国向けWindows Phoneスマートフォン「Lumia 900」を発表した。同製品は数ヵ月以内に米AT&Tより独占販売される。これにより、同社は半ば撤退状態だった米国市場に再度挑む。

「Lumia 900」。色はシアン(写真)とブラックで展開

Lumia 900は、Nokiaが2011年10月に発表した初のWindows Phone搭載機「Lumia」ブランドの3機種目となる。10月に発表した初代2機種、「Lumia 800」と「Lumia 710」は、欧州市場を中心に2011年第4四半期中に発売開始されている。

Lumia 900は米国市場向けに設計したもので、OSに「Windows Phone 7.5(Mango)」、プロセッサにQualcommの「Snapdragon」が採用されている。Lumiaシリーズでは初めてLTEをサポートした。通信速度はAT&TのLTE利用時で下り最大50Mbpsをサポート、LTEカバーエリア外ではHSPAを利用して下り最大21Mbpsで通信できるという。

画面は、他のLumiaよりも大きな4.3インチのAMOLED Clear Black(800×480ピクセル)を採用し、背面にはCarl Zeiss光学を採用した8メガピクセルカメラを搭載。バッテリの持ちのよさも特徴であり、連続通話で約7時間、スタンバイモードで約300時間、MP3プレイヤーとして利用した場合は約2日半利用できるとしている。

メインメモリは512MBで、16GBのストレージを備えるほか、Microsoftのオンラインストレージ「SkyDrive」を利用可能。

既存のLumia端末と同様、音声ナビゲーション機能のある「Nokia Drive」を「Windows Phone Marketplace」からダウンロードできる。「People Hub」といったWindows Phoneの機能に加え、AT&TのTVサービス「AT&T U-verse Mobile」、スポーツチャネルESPNとの独占提携によりスポーツニュースなどを提供する「ESPN Sports Hub」もプリロードした。

サイズは127.8×68.5×11.5ミリメートルで、Nokiaによると、Windows Phoneスマートフォンとしては最も薄いという。

Nokiaは2011年2月にMicrosoftと戦略的提携を発表し、Windows Phone採用にシフトした。同時に、これまで強化していなかった米国市場のてこ入れも明らかにしていた。Lumia 900はその戦略に沿うもので、米国ではすでに、T-Mobile USAから1月11日よりLumia 710が発売されることも決まっている。

これらにより、本格的に米国市場に再攻勢をかける狙いだ。Nokiaの北米担当社長であるChris Weber氏は「Lumia 900は、Nokiaのグローバルスマートフォン戦略において重要なマイルストーンになる」とコメントしている。

1月11日よりT-Mobile USAより販売が開始される「Lumia 710」